支部懇談会開催報告

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「共生社会つくりたい」=内外情勢調査会で講演―山田京都知事

2016.12.7

 京都府の山田啓二知事は10月31日、京都市内で開かれた内外情勢調査会で、「格差から活躍へ〜京都力の発揮〜」と題して講演を行った。地方税収や東京圏への人口、大学、企業の集中などさまざまな点で格差が生じていると指摘した上で、「交流の力、文化の力で総活躍に向けて共生社会をつくりたい」と訴えた。

 知事はまず、県民所得や高速鉄道ネットワークなどで、「太平洋側と日本海側には大きな格差がある」と語った。

 府は北陸新幹線敦賀以西について、敦賀から小浜、舞鶴、京都を経由する舞鶴ルートの実現を目指している。舞鶴は将来、山陰新幹線の結節点とする計画だ。知事は「東海道新幹線やリニア中央新幹線は自治体負担がないが、北陸新幹線はある。これが格差だ。国策として格差づくりが行われている」と述べた。

 9月に発表された滋賀県独自の試算については、「敦賀米原ルートが経済効果があると出たのは、中京圏と大阪圏の消費を取り込めるという計算ができるからだ」と指摘。「舞鶴ルートでは中京圏の影響はほとんどない。北陸と山陰の地域をこれから伸ばしていこうという潜在的効果は計算されない。太平洋側の街にすがっていった場合には経済が良くなるという発想なら(経済効果は)出る。これが格差だと思う」と語った。

 格差是正策の1点目として、「交流の力」を挙げた。具体的には、北陸新幹線の敦賀以西ルートの選定で「日本海側と太平洋側が互いに支え合っていくことを描くのが大事だ」とし、舞鶴ルート実現が新たな日本海国土軸の形成につながるとアピールした。

 次に「文化の力」を挙げた。文化庁は京都移転に当たって「新・文化庁」として機能強化を図り、これまでの文化財保護に加えて、伝統産業や映像・ゲーム・アニメ・コンテンツ、食、文化財を活用した観光施策も手掛ける方針を打ち出している。知事は「文化は間違いなく宝になる、少量で多品種、付加価値の高いものをつくっていくというのはまさに文化だ。特徴があるものをつくっていく力、それが文化の力だ」と訴えた。

 さらに、「交流と文化の基に来る何かがあるのではないか。それが共生社会だ」と強調。格差を是正し活躍するための三つ目のキーワードを「共生」と表現した。例えば、府北部の5市2町は「京都府北部地域連携都市圏」を形成し、観光施策の司令塔となるDMO「海の京都」も設立。DMOは観光だけでなく、広域での地域づくりにも重要な役割を担い、「5市2町が共生していく社会をつくろうとしている」と説明した。

 知事は2017年度予算編成に当たり、「共生社会をつくるために何をしたらいいんですかと各部に投げ掛けている」。「人の生き方の中に支え合うという概念をどうやってつくることができるのか。交流と文化が一つの答えになると思っているようなものをつくっていきたい」と語った。(了)