お知らせ

野田首相、谷垣自民党総裁、長谷川経済同友会代表幹事のご挨拶(テキスト版)―新年互礼会

2012.01.10

 本会など時事通信グループが6日、都内・帝国ホテルで開催しました新年互礼会での野田佳彦首相、谷垣禎一自民党総裁、長谷川閑史経済同友会代表幹事のごあいさつをご紹介いたします。
 
 この新年互礼会の模様(ダイジェスト)と野田首相、谷垣総裁のごあいさつを収録した動画を別途、アップしました。
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◆総理大臣 野田 佳彦 氏 「国民は議論を渇望―野党に協議参加を呼び掛け」

<震災復興、原発事故収束、経済再生―内閣の最優先課題>
 私も夢と脂肪(志望)いっぱいで新たな1年を迎えさせていただきました。昨年の9月に発足しました野田内閣の最優先最大の課題は、震災の復興と原発事故の収束と日本経済の再生、3つのまさに大きな命題でした。新しい年を迎えましたが、基本的にはこの3つの命題にしっかりと答を出していくこと、これが一番大事だと思っています。
 震災復興につきましては、昨年、臨時国会で第3次補正予算を成立させていただき,加えて復興特区あるいは復興交付金、間もなくスタートする復興庁、こういう新しい司令塔もつくっていただきました。こうした道具立てができましたので、復興の槌音がより力強く聞けるような2012年にしたいと思います。
 原発事故の闘いも、これからまさに正念場であります。除染、賠償、健康管理、福島の再生のために全力を尽くしていきたいと思います。
 そして日本経済の再生、円高、デフレの問題、依然として宿題として残っています。しっかりと日本の経済の再生にも全力を尽くしていきたいと思います。

<郵政改革、1票の格差、国会議員定数削減、国家公務員給与削減も>
 加えて、昨年、与野党の協議を進めながら、あと一歩まで来ながら成案を得られず残された課題もございます。郵政改革、あるいは1票の格差の問題、定数削減の問題、さらには公務員人件費の削減を含めた行政改革等々です。これから本格的に野党の皆さまにもお声掛けをさせていただきながら、政治が前進できるように、特に政府与党としては責任を持って全力で対応していかなければいけないと感じています。

<TPPを含む高レベルの経済連携を加速化>
 その上で、去年起こった大きな課題に対する対応もありますが、その前から指摘されてきた課題へも解答しなければならない宿命にあるのが私どもの政権だと思います。1つは、TPPを含む高いレベルの経済連携を一層加速化していくということ。TPPについては、関係国との協議がいよいよこれから本格化いたしますが、その情報をしっかり国民の皆さまにお伝えしながら、TPPのみならず、日中韓あるいは日・EU含めて、高いレベルの経済連携を戦略的に進めていきたい。そういう年にしたいと思います。

<野党に協議を呼び掛け―社会保障と税の一体改革>
 また、きょう、素案が政府与党としてまとまりましたが、社会保障と税の一体改革、これもどの政権であってももはや避けて通れない、先送りのできないテーマだと考えております。素案をベースに、来週から本格的に野党の皆さまにも協議の呼び掛けをさせていただきたいと思います。ぜひ国家、国民のために、いろいろなお立場があるかと思いますが、議論にはご参加をいただきたい。ちょうど目の前に谷垣総裁がお見えですが、よろしくお願いいたします。

<国民は議論を渇望―政局より大局に立った議論を>
 正式には来週ですが、ちょっといま予行演習を兼ねています。この問題は、いろいろお立場は分かります。分かりますが、「マニフェストに書いてあることもけしからん。書いてないことをやるのもけしからん」と言われたら、なにもできないのです。ぜひ、これは国家、国民のために一緒に議論をしていただきたいと思います。高い壇上から、遠いところから、まことに恐縮でますが、ぜひ協議をしていただきたいと、改めて来週、ほんとうにお願いをいたしますが、予行演習を兼ねてお願いをさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、私は野党の皆さまに対してだけではなくて、自分たちの戒めも含めてですが、やはり政局より大局に立って、それぞれの政治家が、政党が本当に仕事をしているのかが問われる年になるのではないかと思います。国家、国民のために大局に立って議論をしてほしいというのは多くの国民の皆さんが渇望されていると私は思います。その渇望に応える役割をしっかりと果たしていくということを決意として表明をさせていただきまして、この互礼会における新春のご挨拶に代えさせていただきたいと思います。

◆自民党総裁 谷垣 禎一 氏 「国民との再契約が必要―早期解散を求める」

<協力すべきは協力する―課題認識は同じ>
 いま総理がおっしゃったように、昨年は大震災、原発、経済の危機もありました。ことしはよりよい年にしなければなりません。
 そういう意味で、いま壇上から野田総理がお呼びかけいただいたことの基本は、私は全くその通りだと思っています。そして、いまわが国の抱えている課題が3つあると総理がおっしゃったことも、私はその通りだと思います。
 もちろん与野党ですから、与党がやっておられることに野党は何もなしに賛成するというわけにはいきません。協力するというわけにもいきません。やはり与党のやっておられることの問題点はきちっと追及しながらも、より大きな視点から協力すべき点は協力していく。私どももことしはその覚悟で当たりたいと思っています。

<素案での協議は連立の組み替え―首相の呼び掛けを一蹴>
 しかし、先ほどこの壇上からお呼び掛けいただきましたことの中には、消費税、税と社会保障の一体改革についてのお話がありました。この問題で素案の段階でお呼び掛けになるというのは、私には、言ってみれば連立の組み替えをやろうぜとおっしゃっているように聞こえるわけです。こういうお呼び掛けをなさるからには、政府も、あるいは与党も与党としての覚悟を固めていただかなければならないのではないか。私どもはその覚悟を問いたい、このように思っています。

<国民との再契約が必要―政治の足元を固め直す年に>
 これだけの大きなことを成し遂げますには、腰が定まらないではできるわけがありません。しっかりと足元を固め直す。そして、国際的にもいろんな問題がありますが、日本の政治が足元を固め直していく年ではないかと私は思います。そのためには、もう1回、国民との契約をし直す、再契約をするということが必要ではないか、私はこのように考えています。
 野田総理の壇上からのお呼び掛けに対しまして、私どももこのような大局的な見地から応じていきたい。ことしは全力を掲げて頑張りますので、どうぞよろしくご指導いただきますように、心からお願い申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

◆経済同友会代表幹事 長谷川 閑史 氏 「与野党は小異を捨てて大同に」

 政界の皆さまもたくさんお越しになっておりますので、初夢を申し上げさせていただきますと、いまは民主党が政権党でありますが、政権交代が初めて起こり、今後も政権与党の交代はあり得べしという状況ではないかというのが大方の見方でありましょう。そういった中で、参議院における、日本語で言うとねじれ現象。ねじれというと、異常な状態とか悪いようにとれますが、アメリカではdivided parliamentと単に率直に表現をしております。いずれにしても基本的には、ほぼ同じような権限・権力を持つ参議院での法案の成立を見ない限り、いかなる重要な法案といえども、外交的な条約の問題でありますとか、予算は関連法案がありますので、そういうことが通らない。こういう状況の中で、日本の国益のためには小異を捨てて大同につく。主義主張が根本的に違うのであれば別でありますが、そうでない限りにおいてはそういうこともできるんだ。そういう心意気を政党間で実際に示していただくことが何よりも必要ではないかなと思います。

 また、メディアの皆さまにおかれましては、群雄割拠の中で些細な違いを出そうと努力をされて、その結果、毎月毎月のように総理の支持率調査だとか何々の調査だとかをそれぞれの会社がやられて、それがみな違って、ミスリードするようなことはおやめになって、どこか第三者機関でまとめておやりになって、国民にきちっと分かりやすくしていただく。考慮の余地があればぜひお考えいただきたいと思います。