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黒田日銀総裁、量的緩和は順調=消費増税、成長損なわず−7月全国懇談会

2013.07.29

7月の全国懇談会を29日、日本銀行の黒田東彦総裁を講師にお迎えし開催しました。
黒田総裁は「最近の金融経済情勢と金融政策運営―デフレからの脱却に向けて―」と題して講演、最近の日本経済に関し、「金融環境」「人々の期待」「実体経済・物価」の三つの好転を挙げ、日銀が4月に導入した新たな量的緩和は「重要な要因として貢献している。狙いはこれまでのところうまく進んでいる」と評価しました。

黒田総裁の講演テキストは日本銀行ホームページにアップされています。    
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/ko130729a.htm/

時事通信の配信記事は下記の通りです。


◆量的緩和は順調=消費増税、成長損なわず−内外情勢調査会で講演−黒田日銀総裁

 黒田東彦日銀総裁は29日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、最近の日本経済に関し、「金融環境」「人々の期待」「実体経済・物価」の三つの好転を挙げ、日銀が4月に導入した新たな量的緩和は「重要な要因として貢献している。狙いはこれまでのところうまく進んでいる」と評価した。
 また、黒田総裁は「単に物価が上がればいいと考えているわけではない」と強調。「目指すのは生産・所得・支出の好循環の下で、バランス良く成長することだ」と述べ、良い物価上昇を目指す姿勢を示した。その上で、「2%の物価目標をできるだけ早期に実現し、最大の課題であるデフレ脱却を果たすことを約束する」と決意を表明した。
 一方、講演後の質疑応答で「消費税(率)の2段階の引き上げによって日本経済の成長が大きく損なわれることにはならない」との認識を示した。(了)

◆「悪い金利上昇」を警戒=財政再建で政府に注文−日銀総裁

 黒田東彦日銀総裁は29日の内外情勢調査会の講演と質疑応答で、財政再建の重要性を強調するとともに、消費増税の着実な実行への期待をにじませた。その背景には、国債大量発行に起因する「悪い金利上昇」への警戒感がある。
 日銀は金融緩和の一環として市場を通じて大量の国債を買っている。緩和強化で国債購入が急増すれば、中央銀行が財政赤字を穴埋めする財政ファイナンスと市場に受け止められ、長期金利が急上昇する恐れがある。個人や企業は住宅や設備への投資をためらい、景気回復をかえって損ないかねない。
 こうした懸念を一掃するため、今年1月の政府・日銀の共同声明で、日銀に金融緩和を求める一方、政府は自ら「持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進する」と約束した経緯がある。
 「黒田日銀」の発足後、4月に導入した量的・質的緩和に基づき、日銀は毎月の国債購入額を約7兆円に倍増させた。毎月発行される国債の7割に当たる「巨額の国債買い入れ」(黒田総裁)に踏み切れたのも「共同声明があったから」(日銀幹部)だった。
 日銀内には、3党合意を経て法律にまで明記した消費増税が延期されれば、財政再建の道筋に疑問が生じかねないとの懸念がある。黒田総裁は29日の講演で、脱デフレと持続的成長のためには、成長戦略とともに財政再建の着実な実行が必要だと訴えたが、今後も水面下で政府に消費増税の実現を働き掛けていくことになりそうだ。(了)

◆黒田日銀総裁の講演骨子

 1、金融環境、人々の期待、実体経済・物価の好転が起こっている
 1、15年続くデフレからの脱却を狙う量的緩和はうまく進んでいる
 1、2段階の消費税率引き上げで経済の成長が大きく損なわれることはない
 1、持続可能な財政構造確立の着実な実行は、持続的成長を達成する上で必須だ
 1、消費者物価はプラス幅を拡大していくが、物価目標達成はまだ時間がかかる
(了)

◆黒田日銀総裁講演要旨

 黒田東彦日銀総裁の29日の講演と質疑応答の要旨は次の通り。
 【緩和効果】金融、人々の期待、実体経済・物価が好転しており、量的・質的金融緩和が重要な要因として貢献している。デフレ脱却という緩和の狙いはこれまでのところうまく進んでいる。2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現し、デフレ脱却を果たすことを約束する。
 【経済・物価の先行き】来年以降、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要と反動が見込まれるが、日本経済は0%台半ばの潜在成長率を上回る成長を続ける。最大のリスク要因は海外経済の下振れだ。物価上昇率は緩やかにプラス幅を拡大する。日本経済はデフレ脱却に向けた道筋を着実にたどっているが、2%の物価目標達成までの道のりはそう短いものではない。
 【賃金と物価】単に物価が上がればそれで良いと考えているわけではない。目指すのは生産・所得・支出の好循環の下でバランス良く成長すること。賃金上昇を伴った形で物価上昇率が高まっていく姿を実現することが重要だ。
 【消費増税など】政府に成長戦略の着実な実行を期待する。持続可能な財政構造確立の着実な実行は、デフレを脱却し持続的成長を達成する上で必須。消費税率の2段階の引き上げによって日本経済の成長が大きく損なわれることにはならない。(了)

◆海外でゆっくり読書=黒田日銀総裁の夏休み

 「夏休みは海外で、ゆっくりと本でも読んで、体だけでなく頭もリフレッシュしたい」。日銀の黒田東彦総裁は29日の内外情勢調査会での質疑応答で、総裁就任後初めてとなる夏休みの過ごし方を尋ねられ、読書家としての顔をのぞかせた。
 黒田総裁は無類の本好きとして知られる。しかし、公務が多忙なためか、黒田総裁によると「買ったり、もらったりした本が大量に積み重なっている」。このため、夏休みは、8月中旬から1週間程度、海外で読書などをして過ごす予定という。 
 この日は「2%の物価目標を達成するには、まだまだ時間がかかる」と語った黒田総裁。夏休みは、デフレからの早期脱却という長年の宿題を片付けるためのヒントを蔵書から探ることになりそうだ。(了)