お知らせ

黒田日銀総裁がご講演―8月全国懇談会

2014.08.01

  8月の全国懇談会を1日、都内・ホテルニューオータニで、講師に
黒田東彦日本銀行総裁をお迎えし開催しました。
  黒田総裁は「最近の金融経済情勢と2%の実現に向けて」と題して
講演。物価が今年度後半から再び上昇率を拡大し、「2015年度を
中心とする期間に、2%に達する可能性が高い」との見解を改めて示し
ました。

◆黒田日銀総裁講演のポイント

 一、物価目標実現に必要なら、ちゅうちょなく調整
 一、追加緩和のオプションはいろいろある
 一、量的・質的金融緩和はおおむね期待通りの効果発揮
 一、消費税増税の実質所得押し下げが消費に影響も
 一、財政再建は喫緊の課題(了)

◆日銀総裁の講演要旨
  黒田東彦日銀総裁が1日行った講演と質疑応答の要旨は次の通り。

 【金融政策運営】量的・質的金融緩和の所期の効果を経済や物価に与えてきた。おおむね期待した通りだ。予想以上の効果も、期待外れということもあまりない。見通しが下振れ、(物価目標実現に)必要となればちゅうちょなく調整を行う。その際のオプションはいろいろある。政策手段が限られることはなく、最適な措置を取る。
 【消費税増税の影響】日本経済は消費税増税の反動の影響は受けつつも、基調として潜在成長率を上回る成長を続ける。反動の影響は夏場から減衰してくる。個人消費は雇用者所得の増加が下支えし、底堅く推移する。(税負担増加による)実質所得の押し下げが徐々に影響を与える可能性もあり、引き続き注意深く点検していく。
 【物価目標】消費者物価(除く生鮮食品)の前年比(伸び率)はしばらくの間、1%台前半で推移する。今年度後半から再び上昇傾向をたどり、2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い。
 【成長力強化】物価目標実現への取り組みと並行し、成長力強化の動きが着実に進展することが望ましい。
 【財政再建】日銀の大量の国債買い入れは物価目標実現のためであり、財政ファイナンス(財政負担の肩代わり)の意図は全くない。日銀の経済・物価見通しは来年10月からの消費税率10%への引き上げを前提にしている。財政再建は喫緊の課題だ。政府は中期財政計画を着実に実施してもらいたい。(了)

※日本銀行ホームページに黒田総裁のご講演テキスト(全文)が掲載されています。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140801a.htm/

◆所得への影響注視=黒田日銀総裁、消費増税で−内外情勢調査会で講演

  黒田東彦日銀総裁は1日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。黒田総裁は、消費税増税の影響について「雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費は底堅い」と指摘しながらも「(税負担増加による)実質所得の押し下げが徐々に影響を与える可能性もある」と述べ、増税が消費を抑制しないかという点を引き続き注視する姿勢を示した。

  黒田総裁は、昨年4月に導入した量的・質的金融緩和に関し「所期の効果を発揮し、ほぼ見通し通りに物価が上昇してきている」と分析。物価が今年度後半から再び上昇率を拡大し、「2015年度を中心とする期間に、2%に達する可能性が高い」との見解を改めて示した。

  ただ、日銀が掲げる2%物価目標の達成に向けて「必要となれば、ちゅうちょなく調整を行う」と強調した。
 
  一方、「物価だけ上がれば良いと思っているわけではない」とも語り、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の第3の矢である成長戦略の着実な実行に期待感を表明した。(了)

◆必要なら「最適措置」=金融緩和、手段限定せず−日銀総裁

  黒田東彦日銀総裁は1日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、金融政策運営について「(2年で2%の物価目標実現の)見通しが下振れ、必要となれば、ちゅうちょなく調整を行う」と述べ、今後の経済状況によっては、追加金融緩和に踏み出す考えを表明した。黒田総裁は講演後の質疑で、緩和手法に関し「オプションはいろいろある。政策手段が限られることはなく、最適な措置を取る」と語った。
  黒田総裁は質疑で、昨年4月に導入した量的・質的金融緩和を「所期の効果を経済や物価に与えてきた。おおむね期待した通りだ」と評価。「予想以上の効果も、期待外れということもあまりない」と述べた。日銀が現在続けている国債の大規模購入に関しては「あくまでも物価目標を達成するためであり、財政ファイナンス(財政負担の肩代わり)では全くない」と強調した。 
  一方、黒田総裁は講演で、消費税増税の駆け込み需要の反動減について「夏場から減衰してくる」との見通しを示した。ただ、税負担増による実質所得の目減りにも触れ、「(消費に)影響を与える可能性もあり、引き続き注意深く点検していく」と語った。物価目標の実現時期に関しては「2015年度を中心とする期間に達する可能性が高い」と、従来の見通しを改めて示した。(了)


◆財政再建「着実に実施を」=消費再増税求める−日銀総裁

  日銀の黒田東彦総裁は1日、内外情勢調査会での講演で「財政再建は喫緊の課題だ」と指摘した上で、2020年度の基礎的財政収支黒字化を掲げた中期財政計画の「着実な実施」を政府に求めた。15年10月の消費税率10%への引き上げについても「日銀の経済・物価見通しは引き上げを前提にしている」と、予定通り増税するよう促した。
 
  また、持続的な経済成長に向け、「2年で2%」の物価目標の実現と合わせて「成長力強化の動きが着実に進展することが望ましい」と強調。低成長の下で物価が上昇して家計が圧迫される事態を避けるため、6月に改定した政府の成長戦略に沿って規制緩和などに取り組むべきだと注文を付けた。(了)