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トリシェECB総裁のご講演動画をアップ―4月17日全国懇談会

2009.04.21

 4月17日開催した全国懇談会でのジャン・クロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の「世界的経済危機とユーロ・ユーロ圏」と題したご講演の全編(34分)と質疑応答(38分)をそれぞれアップしました。
 左上部の「全国懇談会動画配信中」ボタンからお入り願います。閲覧に必要なID、パスワードは会報誌「J2TOP」(ジェイ・ツー・トップ)4月号の最終ページをご覧くださいませ。
 また、講演抄録を5月25日発行の「J2TOP」6月号、要約を24日発行のメールマガジン―にそれぞれ掲載します。
 
トリシェ総裁ご講演の模様を伝えた時事通信社の配信記事とインタビュー記事は次の通りです。

◎緩和策、一段と踏み込む=銀行への資金供給中心−トリシェECB総裁
 欧州中央銀行(ECB)のジャンクロード・トリシェ総裁は17日、都内で開かれた内外情勢調査会の全国懇談会で講演し、ECBが5月7日の次回政策決定理事会で、金融危機に対処する「標準的でない緩和策」に一段と踏み込んでいく考えを明らかにした。
 ただ同時に、「(新たな)緩和策はユーロ圏の金融構造に配慮したものとなる」とし、日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)が行っているような国債、コマーシャルペーパー(CP)などの買い取りについては、当面は手控える慎重な姿勢を示した。 
 トリシェ総裁は「ユーロ圏の金融は銀行融資が中心」と強調。銀行への資金供給を手厚くすれば、「企業や家計の金融アクセスを保証できる」と述べ、ECBが今後、ユーロ圏の銀行に対する資金供給を長期化することなどで、金融緩和を進める方針を示した。
 一方、同総裁は、金融危機の原因として、証券化などで銀行が融資リスクを簿外に簡単に移せるようになったことなどを指摘。各国別の金融監督だけでなく、国際金融を監督する機関の設置が必要だと強調した。
 トリシェ総裁はこの日、来日。午後には日銀の白川方明総裁を表敬訪問する。(了)

◎トリシェ欧州中銀総裁の講演要旨
 17日、東京都内のホテルで行われたトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演要旨は以下の通り。
 1、5月7日のECB理事会後に、一段の非標準的な緩和策を発表する。現時点では推測は述べない。
 1、ユーロ圏は市場金融重視の米国より、銀行融資の比重が大きい。現行の非標準緩和策も、銀行による信用供与支援を意図。
 1、ECBの今後の決定は、こうしたユーロ圏の金融構造を完全に考慮に入れた上でなされる。
 1、金融システム支援に将来を十分見通した速やかな取り組みが必要。
 1、危機対応で国際金融を監督、規制する機関が必要。
 1、財政、金融刺激策に取り組むには、強い信頼性ある財政維持や物価安定が必要。(了)

◎トリシェECB総裁、迅速な不良債権処理が必要=米のドル信認維持を評価
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は17日、内外情勢調査会での講演後の質疑応答で、ユーロ圏の金融機関の不良債権処理について、「計画は既にある」とし「迅速に処理を進めることが重要だ」と述べた。特に「新たな決定は必要ない」と指摘した。
 また為替市場でのユーロ相場では、金融危機後にユーロが対ドルで下落しているとの指摘について、「現在の相場が経済実態を反映しているかどうかは、はっきり言えない」と述べた。ただ、財務長官や連邦準備制度理事会(FRB)議長など「米国の当局者が『強いドルは米国の利益にかなう』と話していることは重要だ」と語り、米国のドル安定に向けた取り組みを評価した。(了)

◎トリシェECB総裁、2010年には世界景気は回復
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、17日の内外情勢調査会での講演後の質疑応答で、世界経済について2009年は「困難な年になるだろうが、10年中には回復する」との見通しを示した。
 同総裁は、09年の景気悪化については「驚きではない」と述べたほか、景気回復については「物価の安定、商品価格の安定が好影響を与える」と強調した。(了)

◎ユーロ安の指摘に反論=世界経済、10年中に回復−欧州中銀総裁
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は17日、都内で開かれた内外情勢調査会の講演後の質疑応答で、ユーロが弱くなっているとの指摘に対し、「(そうした見方は)現状を反映していない」と反論した。
 同総裁は、1999年の導入時に1ユーロ=1.17ドルだったユーロの対ドル相場が、現在は1.31ドル近辺に上昇していることを挙げ、ユーロが対ドルで安いとの見方に異論を唱えた。 
 また、「(米国の財務長官や連邦準備制度理事会=FRB=議長ら)米国の当局者が『強いドルは米国の国益にかなう』と言っているのは重要なことだ」と強調。同国のドル安定に向けた強い姿勢を評価した。
 世界経済の見通しについては、「今年が困難な年であることははっきりしている」としながらも、「2010年中には回復するだろう」との見通しを示した。(了)

◎2009/04/19-18:26
金融緩和、必要な限り継続=中東欧の危機回避で強い決意−欧州中銀総裁
 来日中のジャンクロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は18日、時事通信とのインタビューに応じ、ECBが実施しているユーロ圏の銀行に対する無制限の資金供給措置について、「必要な限り続ける」と強調した。異例の金融緩和を当面継続することで、世界的な経済危機に伴う欧州の金融システム安定化に万全を尽くす考えを示した。
 また、通貨危機が懸念されるユーロ圏外の中東欧諸国の対外債務問題では、この地域に巨額の融資を行っているユーロ圏の民間銀行に対し、「今後も責任ある行動を取ってほしい」と融資の継続を強く訴えた。
 昨年の世界的な金融危機を受け、ECBはユーロ圏の銀行に対する無制限の資金供給を少なくとも来年1月までは継続する方針。トリシェ総裁は資金供給を続ける姿勢を強く打ち出すことで、金融面から欧州経済の回復を下支えする考えを示した。ただ具体的な継続期間は明言せず。また、5月7日の次回ECB理事会で、金融緩和の拡充策を決めると改めて明言した。
 一方、ハンガリーを含むユーロ圏外の中東欧諸国の通貨安を受け、これらの国々に巨額融資を行っているオーストリアなどのユーロ圏の銀行には焦げ付き懸念が出ている。この問題についてトリシェ総裁は「(これらの銀行には)果たすべき重要な役割がある」と強調。経済危機を招きかねない融資引き揚げを自制するよう求めた。
 さらに「これらの中東欧諸国にとって欧州連合(EU)は圧倒的に大きい貿易相手であり、しかも(支援の)能力がある」と指摘。EUや国際通貨基金(IMF)の支援に加え、中央銀行間の協力なども活用し、危機回避に全力を尽くす考えを表明した。(了)