お知らせ

岡村日商会頭の講演動画(抄録)をアップしました―6月12日全国懇談会

2009.06.22

  6月29日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催しました全国懇談会の講師にお迎えしました
岡村正日本商工会議所会頭の「今後の日本経済と地域活性化―私はこう考える」と題したご講演の動画(抄録)をアップしました。
抄録は会報誌「J2TOP」(ジェイツートップ)7月号(6月25日発行)、要旨はメールマガジン6月22日号(未登録の方はトップページの「メルマガ登録」を)―に掲載します。
 
閲覧手順は次の通りです。左上「全国懇談会動画配信中」→「全国懇談会映像[会員限定]」の「会員専用ログイン」→ID、パスワードの入力。ID、パスワドは会報誌「J2TOP」(ジェイツートップ)4月〜6月各号最終ページをご覧願います。
 
収録時間は第1部=外需依存から脱却を:4分40秒、第2部=消費税引き上げも議論を:4分01秒、第3部=中小企業の活性化がカギ:3分35秒―合計12分16秒です。

   ◆◆□◆6月全国懇談会の要旨◆□◆◆
  岡村会頭は、厳しい現状の日本経済が再生するには「大きな潮流変化に眼を向けて中長期的な視野で対応することが必要」と強調。具体策として、市場開拓を狙いにした中小企業の海外展開や外需依存の経済構造からの脱却、消費税の引き上げなどを挙げました。

【潮流の変化に対応を】
  国内の景気は、引き続き厳しい状況だ。企業の倒産は長い間、毎月1千件を超えており、有効求人倍率も0.6以下になってきた。地域はますます疲弊している。先行きも当面は厳しいだろうが、足元の経済指標には底打ちの兆しが見えてきた。政府の2009年度補正予算は総額56.8兆円、国費で財政出動が15.4兆円と、過去最大規模の大型景気対策。雇用のセーフティーネットや中小企業金融の円滑化など、高く評価している。緊急経済対策の効果が現れ、「日本経済は4−6月から年後半に回復に向かった」と統計で実証されることを願っている。
  
  日本経済を再生させ、持続的な成長を図るには、大きな潮流変化に眼を向けて、中長期的な視野で対応することが必要だ。(例えば)中小企業も自ら海外進出し、そのブランドを売り込む。中小企業の海外進出は、主に人件費などの削減を目的にした例や、大企業の要請に付随したケースが多い。市場開拓や販売促進を狙いにした海外展開を加速させなければいけない。また、IT・ネットワーク化の進展もグローバル化を加速させている。多くの起業家を生み出すとともに、既存の企業にもビジネスチャンスの拡大をもたらしている。

  さらに「多様化」。21世紀は物質的な豊かさよりも、心の豊かさを求める時代だ。「安心・安全・快適さ」で自らの感性に合った物やサービスが求められる。もう一つの多様化はいわゆるステークホルダー。「株主至上主義」が数年前まで叫ばれたが、この考え方では企業の持続的な成長はない。お客様と従業員、企業の活動の基盤となる地域社会が、極めて重要だ。地域社会から受け入れられないと、その地域での持続的な発展は望めないと思う。
  
【内需創出と消費税の引き上げ】 
  米国を中心にした外需依存の経済から脱却する必要がある。内需を主導する新産業の創出は、独創的な技術開発が大きなポイント。特に地球的規模の課題である低炭素社会の構築に向け、省エネ・省資源や新エネルギーの開発などの分野は、(日本が)世界をリードできると思う。
 
  麻生首相は15%という極めて厳しい二酸化炭素の削減目標を示したが、エネルギー効率世界一の立場から、日本もその役割を果たさなければならない。国民負担が増え、日本経済に厳しい影響が出ると予測される。日本としてこの問題に対応するには、国際的な公平性が担保されることが必須条件と思う。
   
  さらに課題として、少子高齢化と社会保障の問題がある。出生率は1.37。人口を維持できる2.07を大きく下回っている。労働力人口の減少や高齢化
の問題に拍車をかけ、安心と安全を支える社会保障制度を脅かしている。消費の停滞と企業活力の低下も懸念される。団塊の世代の子供達が出産適齢期に達することを考えると、この問題は今後3年間、集中的に(対応策を)実施する必要がある。日本経済が足元で停滞しているため、公的負担がどうしても必要だ。選択肢の1つとして、消費税の税率引き上げも議論されていい。
 
【地域活性化には道州制】 
  日本の企業のうち、中小企業は99.7%。人口の70%が生活の糧を得ている。中小企業の活力強化は我が国の持続的成長の鍵を握ると言っても過言ではない。地域の中でも大きな地位を占めている。市民や行政とともに地域をどのように発展させるかというビジョンを共有することが必要だ。
 
  地方は疲弊していると言うが、はっきりしたビジョンを持った地域は非常に元気だ。代表的な例は京都。京都商工会議所は地元の中小ベンチャー企業の活性化を図る「知恵産業のまち 京都」をビジョンに掲げている。伝統文化の継承や大学研究機関の集積など、当地の強みを活かした素晴らしい取り組みだ。観光も、これまで以上に地域の活力を高めていくために広域的な取り組みが大きな方向性になりつつある。広域的な課題に効果的に対応するには、国と地方の役割を明確にし、権限、財源と人材を国と地方自治体で大幅に再編成する道州制の導入がどうしても必要だ。(了)