市民協働の市政運営に意欲=内外情勢調査会で講演―樋口甲府市長

 1月に再選された甲府市の樋口雄一市長は7月22日、市内で開かれた内外情勢調査会で「NEXT甲府 開府500年目の挑戦!」と題して講演した。「人口減少と少子高齢化の地方都市で市役所が全てを賄うことは困難だ。あらゆる形で市民のみなさんと協働していきたい」と強調。2期目の市政運営に向けた意気込みを語った。

 2019年は戦国武将・武田信玄の父信虎が甲府に館を構えてから500年の節目。市は「開府500年」と銘打ってさまざまなイベントを開催している。4月の中核市移行や市制施行130周年も重なり、樋口市長は「今年はいろいろな節目が重なるメモリアルイヤー。毎日のように開府500年や中核市移行の言葉を使っていた」と1期目を振り返った。

 講演では、4年間の任期で取り組む主な政策をまとめた「こうふ未来創り重点戦略プロジェクトNEXT」を紹介。中核市移行に伴い保健所機能を持つ健康支援センターを開設したことなどに触れ、市民の健康づくりに注力する考えを示した。また「『子育ち』をしっかりバックアップしていく」と述べ、子ども条例の制定に意欲を見せた。

 人口減少に関しては、自然減と社会減が続いている現状を説明。子ども医療費助成の対象拡大や多子世帯の保育料軽減などの施策で「若干の好循環が生まれている」としつつも、「出生率が上がっても分母が減少しており、厳しい状況には変わりない。県や他の市町村と相乗効果を生み出す施策を作っていかないといけない」と危機感を示した。

 講演ではこのほか、1期目の施策や市の歴史を解説。「開府500年の節目を迎えた今、甲府を今後どうしていくかを市民とともに考え、前進していきたい」と述べた。(了)