2019年10月9日(水)
人、社会、自然の健康に挑戦=社会課題を先導的に解決―三日月滋賀知事
滋賀県の三日月大造知事は9月25日、大津市内で開かれた内外情勢調査会滋賀・滋賀北支部9月懇談会で講演し、「来年度は『健康しが』への挑戦をメインテーマに掲げ、人や社会、自然の分野で社会的課題を先導的に解決する施策を展開したい」と意欲を述べた。
「自然の健康」については「森林の適切な管理が琵琶湖の環境を支える」と指摘。人口減少や高齢化が進む大津市と米原市の山村をモデル地域に指定したことを明らかにし、「伐採時期を迎えた人工林を利用してなりわいを起こし、放置林の減少と人口の増加につなげたい」と述べた。農薬や肥料を使わない近江米の生産や琵琶湖のプラスチックごみの削減を推進する意向も示した。
「社会の健康」では、産業振興の一環として、ドローンを活用した宅配事業や自動車の自動運転、自家用有償旅客運送の実証実験に対し「支援を検討したい」と表明。発酵産業の育成や養蚕業の復活にも取り組む考えも示した。地域公共交通機関の維持に向け、「関係者が参画するプラットフォームを設立したい」と提案した。
「人の健康」では、健康寿命の延伸を目指す施策として、健康推進アプリの導入や野菜を使った食事メニューの開発、健康ビジネスの創出を紹介。「子どもの施策を充実するため、産科医不足への対応や不妊治療への支援、子どもの学力向上にも力を入れたい」と強調した。
このほか、安土城復元に向けた機運を醸成するため、発見に至っていない「安土城屏風」の調査を検討する考えも明らかにした。(了)