ロケットとIRで勝負=内外情勢調査会で講演―仁坂和歌山県知事

和歌山県の仁坂吉伸知事は4月16日、和歌山市内で開かれた内外情勢調査会で「和歌山県のこれまでと今後」と題して講演した。人口減少や経済の伸び悩みといったこれまでの問題点を指摘した上で、「道路ネットワークができてきた。これからは勝負になる」と強調。小型ロケット発射場やカジノを含む統合型リゾート(IR)など最先端の取り組みを通じて、今後は「雇用を増やし、若い人に来てもらいたい」と訴えた。

 県の人口減少は深刻で、死亡者数が出生者数を上回る状態(自然減)が20年以上続き、転出者も転入者をほぼ一貫して上回ってきた。知事は「若い人がいなくなっていっている。それは次の自然減にもつながっている」と分析。その背景に関し「産業、総生産が振るわなかった。和歌山では働けないからとよそへ行ってしまった」との見解を示した。

 しかし、伸び悩んでいたインフラ整備が近年進んだことで、「再上昇への礎が整った」と指摘。2006年度末で約40%だった県の高速道路供用率が17年度末には約80%と全国平均並みに上昇し、紀伊半島を一周する高速道路計画の事業化が進んでいることを挙げ、(国土交通省の)担当者に対し「(紀伊半島一周高速道路を)25年大阪・関西万博までに全部やってくださいと強くお願いしている」と述べた。交通の便が良くなれば、県が力を入れる企業誘致が進むとの期待を示し、観光面でも「もともとポテンシャルがあるが、まだまだ伸びる」と話した。

 今後の可能性に期待する取り組みとしては、IT関連事業や小型ロケット発射場建設、IRの誘致を挙げた。全国初となる民間ロケット発射場は3月、宇宙ベンチャーのスペースワン(東京)が串本町に建設することを発表し、県と進出協定を結んだ。知事は「(ロケットに載せる)小型人工衛星は通信と観測の分野で需要がものすごく増えてくる。うまくいけば世界中の衛星がここから発射される画期的な事業だ」と強調した。

 IR誘致に力を入れている理由としては、「世界は今後サービス業によって成長していく。シンガポールはIRによって国内総生産(GDP)が1.9倍になった。和歌山でもやはり一発勝負が必要だ」と語った。依存症への懸念がいわれるカジノについては「世界的に合法化されている。和歌山が目指すIRは観光やリゾートと一緒になったものだ」と述べた。(了)