2018年12月26日(水)
「明治維新のやり直しを」=内外情勢調査会で講演―達増岩手知事
岩手県の達増拓也知事は11月30日、盛岡市内で開かれた内外情勢調査会で「岩手から見る明治150年」と題して講演した。明治維新で「賊軍」とされた岩手の先人が果たした功績と軍国主義化に与えた影響を振り返り、「明治維新のやり直しが必要だ。賊軍の排除や世界の中のアジアを排除するという論理でなく、排除しない愛国心を育成しながら新しい日本をつくっていかねばならない」と呼び掛けた。
達増知事は、江戸時代にロシアの侵略に備え、北方警備の重要性を訴えた盛岡藩士の相馬大作が1818年に私塾を開き活動した点に触れ、「明治維新の起点が岩手にあったと見ることができる」と指摘。「平民宰相」と呼ばれた盛岡藩出身の原敬が首相に就任し、日本初の本格的政党政治を誕生させ、民主化革命として成功したことも踏まえ、「明治維新は岩手で始まり岩手県人が完成させた」との見方を披露した。
その上で「明治150年の歴史の中で岩手、岩手県出身者が日本全体の運命に大きな影響を与えた」と強調。「昭和の軍国主義化や平成の改革の失敗といった歴史を反省し、明治維新をやり直すという発想が必要だ。明治150年の歴史について岩手はかなり責任がある。責任を自覚し、これからの時代を良いものにしていこう」と訴えた。
一方、平成時代の良かったこととして、天皇陛下が被災地慰問や障害者支援などに尽力されてきたことに言及し、「天皇陛下が歴代天皇の中で非常に名君であることだ」と述べた。(了)