20年後も通用するまちを=内外情勢調査会で講演―熊谷千葉市長

 千葉市の熊谷俊人市長は10月31日、市内で開かれた内外情勢調査会で「千葉都心地区の今後の展望」と題して講演した。JR千葉駅周辺の再開発の現状と展望を紹介。「20年後、消費動向が今よりもさらに変化した状況になっても通用するようなまちづくりをしていきたい」と述べた。

 近年のJR千葉駅周辺の課題について「大きな変化がなかった」とし、「(周辺自治体に)郊外型の大型商業施設ができたことによって、千葉駅に来ていた人たちが来なくなった」と分析。今年6月に駅ビルが全面開業したことで、「(駅に来る人の)パイは一定程度増えた」と強調した上で、「今までなかなか進まなかった再開発が動きだしている」と手応えを語った。

 駅周辺の回遊性を高めるための方策としては、「車を気にせず歩いて移動できる空間」の必要性を訴えた。「まちづくりをする上で、駅前大通りに人を通らせたくなってしまうが、駅を降りた人が車道の方に向かっていくわけがない」と指摘。その上で、「休憩ポイントとなる緑地空間も用意していかなければならない」と話し、駅周辺の公園の再整備計画を紹介した。

 また、広範囲なまちの活性化を目指すには、文化やスポーツ面での魅力を高めることが重要との見解を示した。市美術館の拡張で常設展示室や体験ゾーンを整備すると説明。また、国内で初めて整備される予定の国際規格に準拠したドーム型競輪場を紹介。競輪の国際大会で日本選手が活躍できないのは「海外と競技場の規格が違うことが原因」とし、「自転車スポーツにとって貴重な場所が千葉に誕生する」と語った。

 講演後の質疑応答で幕張新都心について問われると、「幕張は県の拠点というよりは、日本の拠点として意識すべきだ」とし、「幕張でしかできないことをやっていく」と述べた。(了)