200万人都市圏構想に意欲=内外情勢調査会で講演―松井広島市長

 内外情勢調査会広島支部の例会が5月29日開かれ、広島市の松井一実市長が「目指すべきまちの実現に向けて~200万人広島都市圏構想~」と題して講演した。市長は広島、山口両県の24市町から成る「広島広域都市圏」の取り組みを紹介。「圏域人口が200万人を割らないよう市政を考え、リーダーとして頑張る」と圏域のけん引役としての意気込みを示した。

 具体的には農水産物の地産地消や圏域内の公共交通網の充実、保育サービスの広域利用などに力を入れる方針を強調。将来的な圏域の拡大にも意欲をみせた。

 建設地をめぐる調整が難航している新サッカースタジアム建設に関しては、候補地の一つで市中心部へのアクセスが良い中央公園広場(中区)の案をめぐり、地元自治体との協議日程の調整を急いでいると説明した。

 中央公園広場は広島みなと公園(南区)と旧市民球場跡地(中区)の2案に続く第3の候補地として浮上。ただ近接する基町地区の住民らが騒音や渋滞など居住環境に影響があるとして反発し、対立が続いている。

 市長は「地元の理解を得られるかどうか、もう少し対応を見守りたい。『スタジアムが決まらんからつまらん』と言わず、待っていてください。画竜点睛(がりょうてんせい)を欠くことがないような手続きで進めたい」と丁寧に議論を重ねる意向を示した。(了)