2018年4月4日(水)
グローバル時代、若者に機会を=内外情勢調査会でパネル討論―伊原木岡山知事
岡山県の伊原木隆太知事は3月26日、岡山市で開かれた内外情勢調査会で、「グローバル時代 岡山の未来を考える」をテーマに教育や産業面の現状について有識者らとパネルディスカッションを行った。首長、企業トップら約80人が出席。伊原木知事は「語学研修や、友達をつくって視野を広げるには若いときが適している。意欲を持っている人へのチャンスは大人が提供してあげるべきだ。グローバル化に何が必要なのかそれぞれの立場でアクションを起こしてほしい」と会場に呼び掛けた。
パネルディスカッションには伊原木知事の他、岡山大の中谷文美副学長、岡山大基幹教育センターのプリチャード・ケイレブ准教授、萩原工業の萩原邦章会長が登壇した。中谷教授は同大で2017年10月からスタートした、世界から集まった留学生と日本学生が一緒に学ぶ独自の国際プログラムを紹介。「日本人は完璧な英語じゃないとだめという概念にとらわれているのでは」と指摘した。これに対しプリチャード准教授は「コミュニケーションには身ぶりも必要。英語のスコアだけでなく、グループ活動などのアクティブラーニングが大事だ」と応じた。
留学に踏み出せない学生が多いことについて、伊原木知事は自身が3年間アメリカに住んだ経験を引き合いに出し、「若いときは分からないかもしれないが、海外留学は大きな投資になる」と述べた。中谷教授は、県や経済界、大学が一体となり学生の留学や地元企業でのインターンシップを進めている「おかやま若者グローバルチャレンジ応援事業」を取り上げ、「新しい枠組みがあれば飛びつく学生もいる。興味を失っているわけではない」と現状を分析した。萩原会長は経営者の視点から「少子高齢化の中でグローバル化は必至」と強調し、海外工場での実習といった経験の場を提供することが企業の役割とした。(了)