良好な経済の循環を=内外情勢調査会で講演―三村青森知事

 青森県の三村申吾知事は3月9日、青森市内で開かれた内外情勢調査会で講演し、基本計画「未来を変える挑戦」に基づく2018年度の推進事業について説明した。三村知事は「人口減少克服など県の課題は厳しい」とした上で、「今後は経済を、特に地域で良好な経済を循環させていくことが重要になる」との考えを示した。

 県は基本計画で、分野横断で重点的に取り組む戦略プロジェクトとして「人口減少克服」「健康長寿県」「食でとことん」の三つを掲げている。18年度は、人口減少社会にあっても持続可能な地域をつくるため、地域において魅力ある仕事、多様な雇用を生み出し、そこから生まれた収入を地域の中でしっかりと回していく「地域で経済を回す」仕組みづくりの推進を重視した。

 人口減少対策の取り組みでは、女子学生の県内就活や若手社員の県内定着支援、ITテレワーカーとの交流や流入などを挙げ、県内定着と移住促進を図る。また、交流人口の増加に向け、好調なインバウンド(訪日外国人旅行者)の取り込みをさらに拡大させるため、青森空港への国際定期便新規就航と拡充、空港と観光地を結ぶ二次交通強化、多言語に対応した環境の整備を進めていく。

 農業については、4年連続で日本穀物検定協会(穀検)の食味ランキング特Aを取得した県産米「青天の霹靂(へきれき)」、サクランボの大玉品種「ジュノハート」を例に、「いい品質のものを作っていくことで、しっかりと利幅を上げていく」と述べ、県産品のブランド確立や新たなチャレンジを進めていく意気込みを示した。(了)