2018年4月4日(水)
PDCA発揮できる県政を=内外情勢調査会で講演―大井川茨城知事
茨城県の大井川和彦知事は2月21日、水戸市内で開かれた内外情勢調査会で講演した。「新しい茨城づくりについて」をテーマに話し、「選択と集中を行って一番大事なものに資源を投下して、結果を検証する。間違っていたら、すぐ修正するというPDCA(計画、実行、検証、改善)をきっちり発揮できる県政をやってみたい」と意気込みを語った。大井川氏が講演を行うのは知事就任後初めて。
大井川知事は昨年末、今後取り組む政策の方向性を示す「新しい茨城づくり」政策ビジョンを発表。知事選でも掲げた「新しい豊かさ」「新しい安心安全」「新しい人財育成」「新しい夢・希望」―の四つを柱に据えている。
新しい豊かさでは、企業誘致に力を入れる。「物流倉庫も工場も当然誘致するが、研究施設や本社機能も持って来たい。工場は有利な条件があれば海外も含めて移る可能性はあるが、研究施設や本社機能は一度来ればなかなか動かない」と指摘。「本社機能を誘致するために思い切って予算を付けている。戦略的に企業誘致の質の転換ができないか挑戦したい」と強調した。
新しい安心安全では人口10万人当たりの医師の数が全国46位であることから、医師確保策を最重要課題と位置付ける。「医師不足がこのまま続けば基幹病院が診療を維持できなくなってしまう。地域の中に基幹病院がなくなると、住みづらくなり、できれば移住したいと思うし、働く人たちを呼び込むときに最大のネックになる」と危機感をあらわにし、医科大学と連携して県外医師のデータベースをつくり、アプローチしていく意向を示した。
新しい人財育成では、教育に重点を置く。県内に戻って就職する人に対して返還を免除する奨学金制度を新設する考えを明らかにした上で、「他県が茨城は変わったことをやっていると思うような教育をやってみることで、ここで勉強するのは面白いじゃないかと思えるような環境づくりに挑戦したい」と話し、インターネットを活用した英会話教育やプログラミング教育を導入する方針を示した。
新しい夢・希望では、魅力度No1プロジェクトと称して、観光誘客や企業誘致、農林水産業、加工品などを含めてトータルで魅力度をアピールする意向を示し、「農産物は農産物、企業誘致は企業誘致それぞれの部署でやってきたが、今後は営業戦略部を県庁内につくって、その中でトータルで茨城の魅力を発信し、マーケティングをして売っていく」と展望を語った。(了)