2018年2月20日(火)
古墳生かした地域活性化で討論=内外情勢調査会で堺市長ら
2019年の世界文化遺産登録を目指す「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)を活用した地域活性化について、古墳群のある堺、羽曳野、藤井寺各市の市長や副市長らが1月16日夜、堺市内で開かれた内外情勢調査会堺・泉州支部の特別講演会で討論した。古墳群を生かしたまちづくりを進めることや、各市が持つ文化をPRしていく方向性を確認した。
特別講演会では、京都府立大副学長の宗田好史氏が基調講演し、世界文化遺産登録によって観光客が増えた地域がほとんどないとする観光庁のデータを示した上で、古墳群が関西の中心にあることや古い歴史を持つことを強調。世界遺産登録を機に「きれいなまちをつくるという観点で、まちづくりの方向転換をすべきだ」と訴えた。
討論で、堺市の竹山修身市長は「『歴史と文化のまち堺』という市民のプライドを上げていくことがまちづくりの根本だ」と強調。現在の堺市出身である千利休が大成した茶の湯を生かして観光客を迎えるため、全国初の「茶の湯おもてなし条例」の制定を目指していることを説明した。
羽曳野市の安部孝人副市長は「古墳が生まれた時から目の前にあって、価値が分からない市民が多い」として、市民の機運醸成の取り組みなどを紹介。藤井寺市の松浦信孝副市長は「古墳はリピーターが少ない。初めて来た人がファンになって魅力を広げてもらえる工夫が大切だ」と述べた。(了)