AIやロボット活用で生産性向上を=内外情勢調査会で講演―上田埼玉知事

 埼玉県の上田清司知事は11月20日、さいたま市内で開かれた内外情勢調査会で「人口構造からみた日本の進路―埼玉県の挑戦―」と題して講演した。人口減少社会で、主要国に比べて低いとされる非製造業の生産性が課題と指摘。人工知能(AI)やロボットなどの技術を活用して「スマート社会に変えていかなければいけない」と述べた。

 県は2018年度予算編成方針で、AIなどの技術を用いた新規事業を重点項目に挙げている。上田知事は講演で「働き方を変えたり、新たな市場を創出したりできるのではないか。AIやロボットをどう使うかが課題」と話した。

 知事は、働き手が減る中で「高齢者の就労と健康維持」も必要と強調した。県内の75歳以上の人口は25年に10年の約2倍と、増加率は47都道府県で最も高い。

 「全国一のスピードで高齢化が進む県だからこそ、挑戦のしがいがある」と話し、取り組んでいる施策を説明。運動を促すため、歩数に応じてポイントを得て賞品の抽選に参加できる仕組みを導入したほか、定年を延長する企業に対する助成金創設などを紹介した。(了)