2017年10月13日(金)
大企業進出「大きなチャンス」=内外情勢調査会で講演―河野宮崎知事
宮崎県の河野俊嗣知事は9月25日、宮崎市のホテルで開かれた内外情勢調査会で、「飛躍するみやざき~『新しいゆたかさ』の実現を目指して~」をテーマに講演した。河野知事は、若年層(15~24歳)の流出が深刻化する中、大企業の進出が県内で続いていることに触れ、「地元での就職に目を向けてもらう大きなチャンス」と述べた。
今年に入り、東証1部上場で精密機器メーカーの「日機装」(東京都渋谷区)が宮崎市で新工場の建設に着手。デジタルカメラなどを手掛ける「キヤノン」(東京都大田区)も今月、宮崎県高鍋町に新工場を建設すると発表した。いずれも地元からの新規雇用が予定されており、「県外に出る学生が多い中、著名な企業の進出は大変ありがたい」と話した。
交通インフラでは、格安航空会社の「ジェットスター・ジャパン」(千葉県成田市)が12月から、宮崎―成田線を就航させる。宮崎と成田を結ぶ路線は初めて。2019年ラグビーワールドカップ日本大会、20年東京五輪・パラリンピックに向け、「合宿受け入れや観光客の誘致を目指し、利便性の高まりをPRしたい」と強調した。
また、県産品の宮崎キャビア、焼酎の海外展開の状況も報告。焼酎では米・ロサンゼルスで、「焼酎輸出促進協議会」を設立し、販路拡大に向けた取り組みを進めている。「海外に売り込むのは簡単ではない。どう戦略的に販路を広げるのか、今後検討していきたい」と述べた。
この他、仙台市で開催された「和牛のオリンピック」と呼ばれる第11回全国和牛能力共進会で、県代表が肉牛の部で最高賞・内閣総理大臣賞を獲得したことを報告。10年の口蹄(こうてい)疫で大量の牛を殺処分した経験に触れ、「今回の大会は口蹄疫以降に造成した牛で勝利した。本当の意味での復興を全国に発信できた」と語った。(了)