新たな価値の発信を=内外情勢調査会で講演―三日月滋賀知事

 滋賀県の三日月大造知事は9月14日、長浜市内で開かれた内外情勢調査会滋賀北支部の設立懇談会で、「琵琶湖新時代~滋賀からつくる新しい豊かさ」と題して講演した。三日月知事は重点施策に産業振興や高齢化対策を挙げ、「新しい価値を創造し、自信と確信を持って発信することが、滋賀の魅力向上につながる」と強調した。

 知事は講演で「化学肥料や農薬を半分にした農業を推進しているが、さらに減らせば消費者の理解も深まり、海外からの評価も高まる」と指摘。「生産者と一緒に有機農業も見据えた次の滋賀の農業をつくりたい」と述べた。

 また「県内には利用可能な時期を迎えた森林が多く存在する一方、東アジアでは住宅需要が拡大している」と分析。「福井県と連携して敦賀港から県産木材の輸出を進め、林業を成長産業に転換させたい」と訴えた。

 一方で「県内を歩いていると老後の生活や自動車の運転に不安を持つ県民が多いと感じる」と述べ、健康寿命の延伸に取り組むとともに、住民による福祉輸送の活用など公共交通の充実を図る考えを示した。

 このほか、県基本構想に掲げる「新しい豊かさ」の具現化に向けて、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」への参画を柱とする「琵琶湖新時代」の展開を提唱。「県の施策をSDGsの視点で再評価、再構築するとともに、水環境やエネルギーの分野で新たなビジネスの創出にもつなげたい」と話した。(了)