ウオーターフロント整備へ=内外情勢調査会で講演―前田山口県下関市長

 山口県下関市の前田晋太郎市長は5月29日、内外情勢調査会下関支部で講演し、全国から集客できるウオーターフロント地区や体育施設の整備などに力を入れる意向を表明した。また、来年度の職員採用で移住定住促進枠を設ける人口増加策が、民間企業にも波及することへの期待感を示した。

 関門海峡に面したウオーターフロントは絶景に加え、大型水族館などがあることから、地元の商工会議所が都市型ホテル誘致といった構想を描いている。

 前田市長は「ホテルだけだと週末のみのにぎわいとなる。さらに世界に発信、平日も集客できるものが欲しい」と強調。三重県伊勢市の「おかげ横丁」に匹敵するような、下関の歴史・文化・食材を凝縮した「ストリート」整備を核に、恒常的なにぎわいづくりに取り組む考えを示した。

 また、スポーツの全国大会誘致の動きがあっても、施設面で受け入れられない現状を問題視。全国レベルのスポーツ大会や大型イベントに対応し、にぎわいづくりをけん引できる本格的な体育施設整備の検討を開始することを明らかにした。

 一方で「自分はハコモノ建設で政治家としての実績は示さない」と断言。「下関に雇用をどれだけ生むことができるかといったことが重要だ」とした。

 第1弾として、職員採用に移住定住促進枠を設けることで、市が率先してUJIターンを進める事業を実施。中心市街地の活性化策などと合わせ、力を入れる考えを示した。

 また、学童保育の待機児童が長年解消されない地区へ自らが赴き、トップ主導で解消に結び付けた実例を紹介。「市長自らが行動する現場主義を貫きたい」と意気込みを語った。

 行財政改革でも、「行政と戦うつもり」で真剣に取り組む姿勢を強調した。(了)