「今後10年が勝負」=内外情勢調査会で講演―鈴木三重知事

 三重県の鈴木英敬知事は5月22日、津市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で講演し、2027年にリニア中央新幹線が東京~名古屋間で開通することなどを踏まえ、「(今後)10年間が県において勝負となる重要な年だと思っている。できることをしっかりやっていきたい」と述べ、中長期的な県施策の展望を示した。

 鈴木知事は「つぎの三重へ~オール三重で『選ばれる地域』をめざして」とのテーマで講演。リニア新幹線の全線開業が予定される37年までの20年間を展望した上で、20年の東京五輪・パラリンピックや33年に行われる伊勢神宮の第63回式年遷宮などをマイルストーン(里程標)に設定。県が今後取り組むべき課題認識を明らかにした。

 リニア開通によって人やビジネスの流れが変わるとの認識を示し、東海3県1市で連携してリニア駅を核とする中部圏づくりを進めるとともに、沿線自治体が一体となって全線開通前倒しに向けた協力を行う必要性を強調した。その上で「三重県がどういう位置を占めるべきかが重要」とし、まちづくりや情報発信、経済基盤や社会資本の整備などによって定住人口や交流人口を増やすことに意欲を示した。

 その他、今年度から新たに移住促進監を設置し、部局横断的に県への移住促進に取り組んでいることを紹介。観光で来県したことがきっかけで、移住相談に訪れる人が増えていることも例に挙げ「観光で交流人口を増やすことも移住促進に重要」と話した。(了)