2017年4月6日(木)
経済成長で人口減少対策を=内外情勢調査会で講演―三村青森知事
青森県の三村申吾知事は3月8日、青森市内で開かれた内外情勢調査会で講演し、基本計画「未来を変える挑戦」に基づく2017年度の推進事業について説明した。三村知事はこの中で、人口減少に歯止めをかけるため、「県の経済を引っ張っている農林水産業と観光産業をさらに成長させていく。最高のものを作り、経済に変えるという感覚が県にはある」と抱負を述べた。
県は基本計画で、分野横断で重点的に取り組む戦略プロジェクトとして「人口減少克服」「健康長寿県」「食でとことん」の三つを掲げている。三村知事は、17年度を基本計画の総仕上げと位置付け、人口減少克服の取り組みを充実、強化する考えを強調した。
人口減少対策の具体的な取り組みとして、若者と女性の県内定着に重点を置き、高校生の県内就職率向上や、女性の仕事と結婚・出産・子育ての両立支援などを挙げた。また、交流人口を増やすため、昨年3月の北海道新幹線開業による「青函周遊観光」の定着・拡大に向けたPR強化や、インバウンド(訪日外国人旅行者)を積極的に取り込むため、青森空港への中国定期便就航や青森港への大型客船誘致に向けた事業も進めていく。
一方、農業については、20年に本格デビューを目指すサクランボの新品種「ジュノハート」のブランド対策に力を入れていく。三村知事は、県産米として初めて日本穀物検定協会(穀検)の食味ランキングで特Aを取得したコメ「青天の霹靂(へきれき)」が15年に市場デビューしたときを振り返り、「あのときは青い衝撃が走ったが、今度は赤い衝撃を走らせる」と意気込みを語った。
講演の最後に、三村知事は「どの分野も仕組みを整え、絶対に良い方に変えていくという思いで、未来を変える挑戦を続けていく」と決意を述べた。(了)