新スタジアム生かしたまちづくり=内情支部で北九州市長が講演

 北九州市の北橋健治市長は2月10日、内外情勢調査会北九州支部会合で「スタジアム完成を見据えたまちづくり、にぎわいづくり」をテーマに講演し、近くオープンする本格的なスタジアムなどを生かした市の活性化策について語った。

 新スタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州」は約1万5000人収容。新幹線が停車するJR小倉駅に近く利便性が高い。北橋市長はまず、市が世界文化遺産、産業観光、インバウンド推進などで観光都市を目指すとともに、大規模な国際会議やファッションイベントの成功で都心部への集客を強化していることを挙げ、集客の大きな柱として新スタジアムを位置付けた。

 スタジアムの活用策では、地元サッカーチーム・ギラヴァンツ北九州、ラグビートップリーグの試合をはじめ、グラウンドゴルフ、ドローンレースなど年間100日程度の利用を想定。近隣で別のイベントを同時に実施するなどして回遊性も高めるという。

 さらに、誘致に成功したラグビーの強豪ウェールズ代表の19年のラグビーW杯事前キャンプを機に息の長い交流を目指し、20年東京五輪・パラリンピックのキャンプではタイ、インドネシアに対する誘致活動を強化、市全体の盛り上がりや国際交流の進展に力を入れる方針。北橋市長は「スタジアムを生かしてスポーツ振興を図り、文化も合わせてアジアの拠点として名乗りを上げていきたい」と抱負を語った。

 支部会合では、ラグビーW杯組織委上席執行役でノンフィクションライターの松瀬学氏も講演。新スタジアムが海に面していることから、米サンフランシスコの球場でボールが海まで飛ぶと盛り上がる「ホームランスプラッシュ」を参考に、「北九州スプラッシュ」などのPR案を披露した。また、キャンプ地としては、子供と選手の交流や、草の根レベルでの支援、首長らの熱意などが重要になると訴えた。(了)