東京圏への集中逆転を=内外情勢調査会で講演―久元神戸市長

 神戸市の久元喜造市長は12月22日、神戸市内で開かれた内外情勢調査会で「新しいステージの神戸市政」をテーマに講演した。市長は「東京圏の一極集中が加速する流れを逆転させなければならない。震災で多額の市債を抱えたが、行財政改革が実を結び、幅広い見地から政策を動員する段階に来ている」と話した。
市の弱点としては若年層の流出を指摘。「大学入学で(若年層の)人口は増えるが、卒業した若者が神戸にとどまっていない。社会増、自然増対策をしっかりと行う必要がある」と述べた。就任以来進めてきた中心部・三宮の大規模再開発については「大阪のベッドタウンにしてはいけない。にぎわいや回遊性を高め、神戸らしさを感じられるようにしていく」との認識を示した。農村地域の活性化や移住促進のため進めてきた「神戸・里山暮らし」にも触れ、「神戸の都心に近い場所で里山に暮らせることは、大阪には無い魅力。相談に乗ってもらうためのコーディネーターを増やし、外からの受け入れをさらに図っていく」と話した。

 市は神戸空港に関し、利用者の増加を図り観光客を呼び込むため、民営化に向けた運営権売却(コンセッション)の公募を進めている。関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)を含むオリックスなど3社連合と、大手商社の双日の2陣営が運営権を争う。久元市長は「関空と伊丹、そして神戸の3空港がしっかりと機能分担し、一体的に運営することを期待している。関西全体の航空需要や観光客の増加につなげるための具体的な提案をしてもらいたい」と述べた。(了)