2016年12月7日(水)
維新150年に向け「誇れる県に」=内外情勢調査会で講演―山口佐賀県知事
佐賀県の山口祥義知事は11月16日、佐賀市内で開かれた内外情勢調査会で、「知事就任1年半を迎えて―佐賀に対する想い―」と題して講演を行った。歴史的な時間軸を「縦」と表現した上で「欠けているのは縦のつながり。県民は活躍した先人を知らない。佐賀の素晴らしさを引き継いでいき、われわれ自身が誇りを持つことが何よりも大事だと思っている」と述べ、2018年の明治維新150年に向け、維新を主導した薩長土肥の肥前藩として県民が誇れる県づくりを訴えた。
山口知事は、幕末から明治時代にかけての佐賀について「当時は最も先進的な地域だった」と評しつつ、幕末・明治期に活躍した人物に関する県民調査のデータを示し、「早稲田大学の創設者の大隈重信は90%以上の人が知っているが、まだまだ知られていない人物も多い」と指摘。「あの時代の志をどうやって県民や、特に子どもたちに伝えていくべきか。ものづくりも人づくりも原点は志。志があるところに多くの成功が宿る」と持論を述べ、県民が誇りを持つ重要性を強調した。
知事は、今年度から着手する明治維新150年関連事業を推進するに当たり、誇りや愛着の醸成などに取り組みながら、佐賀の技や志などを次世代に継承するコンセプトを紹介した。事業を通じて明治期に多くの人材を輩出した藩校「弘道館」などへの関心を高めるだけでなく、「今に置き換えてどうするのかと考えていくことも必要」と指摘。次世代を意識した具体的な事業内容を検討していく考えを強調した。
知事は、東京と佐賀で企業などと連携してイベントを行い、情報発信の相乗効果を狙うPR企画「サガプライズ!」など、展開中の各重点事業についても説明した。(了)