「地域の20年後」テーマに講演=千葉県西部4市長―内外情勢調査会

 千葉県西部の船橋、市川、習志野、浦安の4市長は10月25日、船橋市内で開かれた内外情勢調査会東葛支部で「地域の20年後を考える」をテーマに講演した。

 浦安市の松崎秀樹市長は、急増している子どもの発達障害について2017年から対策に取り組む方針を示した。学習障害や注意欠陥多動性障害を含むASDは対人関係の障害で、早期の療育で改善できることが分かってきたという。国や他自治体に先駆け、五つの大学と連携して健診での早期発見と相談、療育支援を始める。

 市川市の大久保博市長は、人口減少抑止策について説明。待機児童の多さが弱点として、「去年の県内1位は船橋市だったが今年は市川になってしまった。対策を強化しており、早く首位陥落したい」と話した。耕作放棄地から宅地への転換を促すため、調整区域で道路や水道などの基礎整備を行う方針も示した。

 船橋市の松戸徹市長は、市の人口は10年程度伸びるが、一部で高齢化が進みつつある現状を紹介し、「高齢化の中で一番大事なのは市民のマンパワー」と語った。移転予定の医療センターを柱に、健康づくりを軸にしたまちづくりなどで市民が力を発揮できる土台を築くと訴えた。

 習志野市の宮本泰介市長は、歳入確保と歳出削減に一体的に取り組む姿勢を強調した。老朽化が進む公共施設について、建て替えに要する費用の4割程度しか予算を割けないとした上で、PFI方式で市民会館などの施設を集約し、民間活力の導入で再生を図る大久保地区の事例を紹介。「限られた財源をどう分配するかがキモ」と述べ、「比較的余裕のあるこの4市が国を先導してやっていこう」と呼び掛けた。

 対談で、松崎市長は「市は日本の縮図。国全体で悩んでいることにコンパクトシティーだから着手できる」と先行的な施策に取り組む意義を強調。大久保市長は「行政には無駄が多いが、縮小するのは厳しい。勇気を持って変えねばならないし、覚悟を持って支出を抑制する」と語った。(了)