2019年12月25日(水)
「生き残りかけてチャレンジ」=内外情勢調査会で講演―大井川茨城知事
大井川和彦茨城県知事は7月12日、同県つくば市で開かれた内外情勢調査会で「新しい茨城への挑戦」をテーマに講演した。知事は「2020年からの30年間、国内全体で2000万人もの人口が減る」と危機感を示し、「これまでの延長では自治体も企業も生き残れない。この10年が勝負で、生き残りをかけてチャレンジする」と話した。
就任から約2年となる大井川知事は、県政全体の基本方針を「企業経営と同じ考え方で、県の行政に企業と同じ考えを取り入れる」と指摘。「議員の先生や業界との関係で極端な選択をしづらく、そこそこという落としどころを探りがち。それでは県は良くならない」との認識を示した。その上で「不足だと思えばどんどん補正もやるし、年度の途中でも政策を変えていく」と力を込めた。
知事は、これまでの取り組みで評価できるものとして、18年度に本社機能や研究拠点の誘致に最大50億円の補助金を打ち出した企業誘致を挙げた。知事は「正直自信がなかった」と振り返りつつ「もうすぐ10件くらいに成果が上がりそう。やはり旗印を掲げて動くと結果は付いてくる」と自負した。
6月につくば市で行われた20カ国・地域(G20)貿易・デジタル経済相会合については「つくばという街が大規模な国際会議を開けると改めて認識してもらえた」と強調。「スイートルームが足りないとか民泊するのかとか古巣の経産省から嫌みを言われた」と冗談を交えながら、「各国の大臣級の方々にもある程度の部屋で泊まっていただける。大きなアピールポイントだ」と語った。
一方、県の喫緊の課題である医師確保に関しては「苦戦している」と明かした。3年以内に17人の医師確保を目標としているが、現状5人しか押さえられていない状況という。
知事は「特定のポストを明確に意識して目標に掲げたからこそうまくいっていないことが認識できた」と分析。「県職員として採用した医師の身分を保証しながら病院に派遣するなどさまざまな施策をやっていく」と話した。
そのほか、メガファーム事業や人材育成、県北地域へのパンダ誘致など、さまざまな取り組みについて約1時間にわたって説明した。(了)