2019年12月25日(水)
テクノロジーで社会課題解決へ=内外情勢調査会で講演―鈴木三重知事
三重県の鈴木英敬知事は8月30日、津市内で開かれた内外情勢調査会で「三重発イノベーションで切り拓く『人生100年時代』」をテーマに講演した。テクノロジーの活用による県民の健康づくりに向けた施策の展開のほか、地方創生の取り組みとして進める「空飛ぶクルマ」の実現に向けた事業などを説明。「(テクノロジーの活用で)社会課題を解決していくような取り組みを全力でやっていきたい」と力を込めて話した。
鈴木知事は、県民の健康づくりを進める理由として、県が毎年実施している県民意識調査で、幸福を判断する項目として「健康状況」が最も高かったほか、国の調査で大学生が就職する上で重視する条件に「従業員の健康や働き方に配慮している」といった答えが多いことを挙げ、「(県からの転出が多い)若者の定着には、健康経営なくして地方創生なし。県民が求めていることにしっかりと取り組んでいく」と強調。「健康づくりで県を全国トップクラスにしていきたい」と述べた。その上で、行動経済学の理論「ナッジ」を用いたがん検診の受診勧奨を県内の全自治体で導入を目指すほか、ウエアラブル端末を使った健康データの収集による生活習慣病対策などに取り組むことを説明した。
「空飛ぶクルマ」の事業では、県内にも多くある離島や中山間地の移動支援などの効果が期待でき、県が実験の場として名乗りを上げていることに言及。キャッシュレス化に向け同県鈴鹿市や伊勢市で実証実験を予定していることや、県内自治体が「スマート自治体」になるため、県としてサポートすることなども紹介した。
その上で、鈴木知事は「行政の職員や予算を増やすことが難しい中で、使えるテクノロジーはどんどん使い、本当に必要なところにリソースを振り向けていく。スピード感を持ってやっていきたい」と語った。(了)