官民のチャレンジ、地域活性化に生かす=内外情勢調査会で講演―中村長崎県知事

 長崎県の中村法道知事は9月3日、長崎市内で開かれた内外情勢調査会で、「変わりゆく長崎県」をテーマに講演した。中村知事は「各地域で、行政や民間の力でチャレンジングな取り組みが進められている。こうした動きを生かして、地域活性化に結び付けなければならない」と強調した。

 中村知事は講演で、県内の地域別の行政や民間による開発や交流人口拡大への取り組みを紹介。九州新幹線長崎ルートの整備やカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致なども踏まえ、「こういう規模で多くのプロジェクトが進むのは50年、100年に1度のこと。この機会を生かして頑張らないといけない」と述べた。

 長崎市では、大型クルーズ船の寄港の増加に対応するため、長崎港の2バース化計画が進む。基幹産業の造船業で、三菱重工業が同市のクルーズ船の修繕拠点化を検討しており、「長崎が発着港の役割となり、前泊後泊需要が生まれるなど大きな波及効果が予想される」と期待した。

 佐世保市でも佐世保港の国際クルーズ拠点化が進んでおり、「年間400隻の受け入れが可能になる。佐世保や周辺地域に回遊してもらい観光消費額の拡大に向けて知恵を絞らないといけない」と指摘。「さまざまな取り組みを進めることで、交流人口拡大のチャンスにつながる」と話した。(了)