2020年12月1日(火)
県のコロナ対策「みえモデル」で成果=内外情勢調査会で講演―鈴木三重知事
三重県の鈴木英敬知事は7月6日、津市内で開かれた内外情勢調査会で、新型コロナウイルスへの県独自の対応策「みえモデル」をテーマに講演した。感染者向けの病床確保やPCR検査、接触者調査の徹底などに最優先で取り組んだ結果、中部や北陸、近畿圏の府県では最も少ない感染者数となるなど成果を強調した。
鈴木知事はみえモデルの成果として、4月25日から新規感染者が出ていないことや、感染者数も延べ46人で中部や近畿などの近隣府県と比較して最も少ないことを強調した。
具体的な取り組みとしては、感染者を受け入れる病床として、当初の24床から一般病床や軽症者向けの宿泊施設を追加し、10倍の約240床を確保したことを挙げ、病床利用率も4月24日のピーク時で17.3%と低く抑えられたと強調。「経済や一般診療を止めないためにも最も重要なポイントだった」と振り返った。感染源や広がりを特定するため、PCR検査や接触者調査を徹底し、新規感染者の出ていない5月以降も検査機器の増設やPCR外来の設置などを進めてきたことも紹介した。
また、早期の注意喚起として、政府の7都府県への緊急事態宣言より前に、移動自粛を県民に呼び掛けたほか、保健所職員の負担軽減策として、県内の交通事業者にPCR検査の検体輸送や感染者の搬送を委託する取り組みを始めたことも説明した。
今後は年内にも感染症対策条例を制定するほか、感染者の増加時に対応するため、旅行業者と協定を結び、軽症者受け入れの際に複数の宿泊施設で調整する取り組みを行うことを明らかにした。
大都市部への過度な一極集中是正に向けては、ワーケーションの推進を挙げ、「(地方に)積極的に公的機関などが移動していくのを国と地方自治体がしていかないといけない」と話した。(了)