新型コロナ、消費支出と総需要回復を=内外情勢調査会で講演―井戸兵庫知事

 兵庫県の井戸敏三知事は8月28日、神戸市内で開かれた内外情勢調査会で、「新型コロナとの戦いを乗り越え、未来の兵庫への道筋をつける」とのテーマで講演した。感染者の濃厚接触者を早期に突き止めて二次感染を防ぐ一方、落ち込んだ経済の回復には「消費支出や総需要を増やすことが重要だ」と語った。

 井戸氏は、県の新型コロナウイルス感染症対策として、全国に先駆けて設置した入院コーディネートセンターなど七つの特色ある取り組みを紹介し、「クラスター(感染者集団)の発生は比較的抑えられている」と説明。感染者をいち早く発見し、濃厚接触者を確定して、二次・三次感染を防ぐ基本対策の徹底を強調した。

 一方、緊急事態宣言に伴う休業要請など一律規制は「過度に自粛ムードを醸成した」と経済への影響を指摘。今後はターゲットを絞った対応で感染拡大を抑制しながら「生活と経済活動を両立させていく」と述べた。

 新型コロナ下の経済対策では「消費支出を回復する対策が重要。リーマン・ショック時と同様に総需要を増やす対応も必要」との考えを示した。政府の「Go To トラベル」キャンペーンにも触れ、「都道府県に交付金を渡し、(各地域で)ふさわしい対策をすれば機動力が発揮され有効だった」と注文を付けた。

 ポストコロナ社会に向け、県内に張り巡らされている情報基盤を強化し、企業誘致に活用する戦略を説明。都市部から地方への関心が高まる中、「ユニークな施策」として、県内温泉地でのワーケーション体験も紹介した。
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