コロナ感染「佐賀方式」で徹底追跡=内外情勢調査会で講演―山口佐賀知事

 佐賀県の山口祥義知事は11月13日、佐賀市内で開かれた内外情勢調査会で講演した。新型コロナウイルス対策について、県が一元的に検査を集約するなどして、徹底的に感染状況を調べる取り組みを「佐賀方式」として紹介。「検査から(陽性者が)漏れればそこからまた派生し、(感染の)倍々ゲームを生み出してしまう」と、感染先を追う重要性を訴えた。

 山口知事は、陽性者一人一人に聞き取り調査した上で、濃厚接触者だけでなく、接触者にも「念のため検査」としてPCR検査などを実施し、感染状況を徹底的に追跡していると説明。無症状者も県が借り上げた宿泊施設に全員入所させることで、市中感染の恐れを排除していると強調した。

 一方、コロナにより経営に打撃を受けた事業者などに対する支援については「必要なところに手を打っていくことが大事だ」と述べ、休業店舗や文化芸術、ブライダル、スポーツなどに対し、県が行ったさまざまな支援策を説明した。

 県は、コロナ禍のビジネスとして、屋外型の観光や飲食業に目を向けている。山口知事は吉野ケ里町に誘致した「フォレストアドベンチャー」や、波戸岬のキャンプ場が好評なことを挙げ、「多くの皆さまが屋外型で宿泊・活動していただけるということがこれからの佐賀県のヒントだ」と述べた。

 県道にテラス席を設置する社会実験「ナイトテラスチャレンジ」に関しても、「国土交通省が施策を評価して、国の基準を緩和した。全国に拡大し、さまざまなところで屋外型の飲食の取り組みが広がっている」と紹介。「現場で輝いている施策を紹介して、横展開することが本当の地方創生。街中でも独自にモバイルオーダーシステムを投入するなどして、横の連携も広がりつつある。そういったところもコロナの中で伸びていくかもしれない」と国の対応を評価し、新しい産業の発展に期待感を示した。

 山口知事は「先の見えない状況だが、佐賀県らしさを失わず、チーム佐賀、オール佐賀で頑張っていきたい」と締めくくった。
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