2020年12月1日(火)
コロナの影響、年内に中間まとめ=内外情勢調査会で講演―西脇京都知事
京都府の西脇隆俊知事は11月16日、京都市内で開かれた内外情勢調査会で「府民と共に歩む ウィズコロナ・ポストコロナ社会~夢や希望が持てる新しい京都へ~」と題して講演した。昨年10月に策定した「総合計画」について、新型コロナウイルス感染症の影響を点検し、年内に中間的なとりまとめを行うことを明らかにした。
総合計画は、20年後に実現したい姿を描いた「将来構想」、4年間で進める方策を分野別に示した「基本計画」などで構成。西脇知事は「新型コロナによってどんな影響が出るのか検討している」と説明し、「安心・安全」「産業振興」「子育て」などの分野に関し、部局横断チームを設置したと明かした。
その上で、今後の施策展開の基本的な考え方について、「歴史や文化に裏付けられた本物の京都の魅力や強みを高め生かす」と強調。「地域や社会とのつながりや人々との絆を大切にし、共感し合える社会を目指す」「デジタル化への対応など生活様式の変化を踏まえた社会ニーズに対応する」とも語った。
また、西脇知事は新型コロナ対応を振り返り、「医療提供体制を含め、京都府が全国に先駆けた取り組みをした」と述べた。具体例としては、入院医療コントロールセンターが3月下旬から症状に応じて感染者の入院先や宿泊療養先を振り分けたことや、希望する全ての妊婦に対してPCR検査を全額公費負担で実施したこと、大学の再開に向けたガイドラインを5月下旬に策定したことを挙げた。
府内の感染状況については、7日間平均の新規感染者数が「いずれ20人に達するのではないか」と指摘。府が設定した3段階の基準のうち、最も厳しい「特別警戒基準」に再び達するとの見方を示した。海外で感染者と死者が拡大していることにも触れ、「海外の感染が収まらないと、社会経済活動は完全な正常には戻らないと思う」と述べた。
(了)