2020年12月1日(火)
ハイブリッド」がキーワードに=内外情勢調査会で講演―山本群馬知事
群馬県の山本一太知事は11月18日、前橋市内で開かれた内外情勢調査会の懇談会で講演した。策定中の次期総合計画に盛り込む、群馬県が20年後に目指す姿や理念を掲げた「将来ビジョン」について説明。新型コロナウイルスとの共存を前提に、経済的な規制と解除のサイクルに柔軟に対応できる「『ハイブリッドな群馬県にしていくこと』がキーワードになる」との考えを示した。
次期総合計画は、「将来ビジョン」と、10年間の具体的な「基本計画」とで構成する。将来ビジョンの原案では、「デジタル化」「安全性・持続性(SDGs)」を進化の両軸とし、「全ての県民が、誰一人取り残されることなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる自立分散型の社会」の実現を掲げている。
山本氏は、治療法やワクチンが開発されても「ビフォー・コロナには戻れない」と説明。人が少なく自然が豊かで、かつ東京から1時間弱の距離にある群馬県は、コロナ後の「ニューノーマル」の世界では「非常にアドバンテージがある」と強調した。
一方で山本氏は「人間はリアルもないと生きられないことが、この1年でよく分かった」と指摘。リアルとオンラインのハイブリッドにより、規制と解除が繰り返すサイクルに柔軟に適応できるかどうかが、今後の「地域や企業の生死を分けるのではないか」と述べた。
コロナ対応などで県財政は厳しいが、山本氏は「みんながワクワクしていくところにはお金を使っていく」考え。具体的には、県庁32階に整備中の交流スペースといった「官民共創」の取り組みや、県のキャラクター「ぐんまちゃん」のアニメ化などブランド化に力を入れる。
このほか講演で山本氏は、知事就任から1年を機に自らの負担で実施した世論調査で、山本県政を「評価する」との回答が72%に上ったと明らかにした。「本当にうれしかった。これは知事の力というよりも県庁全体の力だ」と強調し、県職員に謝意を示した。
(了)