長崎は「大きな変革の時期」=内外情勢調査会で講演―中村知事

 長崎県の中村法道知事は12月16日、長崎市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で、「チェンジ&チャレンジ 新たな時代の長崎県」をテーマに講演した。中村知事は、九州新幹線長崎ルートやカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致などの取り組みを紹介。「県では大小、さまざまなプロジェクトが推進されており、大きな変革の時期を迎えようとしている」と強調した。

 2022年に予定される九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―長崎間の開業に関しては「地域の活性化に結び付けていかなければいけない」と主張。開業に向けた誘客キャンペーンなどを通じ、交流人口の拡大を目指す考えを示した。

 佐賀県と国土交通省が協議している新鳥栖―武雄温泉の未着工区間については「一刻も早く今後の方向性が示され、着手できる環境が整うことを期待している」と話した。

 長崎県佐世保市への誘致を目指すIR事業をめぐっては、国の基本方針の公表に備え、事業者の公募選定手続きなどを定める実施方針案の策定を進めていると説明。今後の見通しとして、21年1月に公募作業に着手し、同7月前後に事業者の選定を終えた上で、区域整備計画の策定と国への申請を行う方針を示した。IRの開業時期は「26年度前後になってくるのではなかろうか」と述べた。

 また、基幹産業の造船業が世界的に不況となる中、県の産業構造も転換の時期を迎えていると指摘。今後充実させたい産業分野として、▽海洋関連▽人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ロボット関連▽航空機関連―を挙げ、専門人材の育成や誘致企業間の連携促進、サプライチェーンの構築などを進めたい意向を示した。(了)