「時代の転換点に来ている」=内外情勢調査会で講演―大井川茨城知事

 茨城県の大井川和彦知事は2月9日、水戸市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で、「『新しい茨城』への挑戦」をテーマに講演した。大井川氏は、新型コロナウイルス禍や人口減少、デジタル技術の発展などを挙げ、「社会の在り方が大きく変わりつつある。時代の転換点に来ている」と指摘。「コロナ禍も含め、誰も経験していないことが襲ってくる。前例をひもといてもそこに答えはないので、自分の頭で考えてやってみることしかない」と言葉に力を込めた。

 9月に1期目の任期が満了する大井川氏。「コロナが始まってからほぼ感染症対策をやっているので、実質就任2年半くらい」と苦笑いしつつ、2年連続で全国トップとなった企業誘致や公立高校改革、都道府県で初めて導入した性的少数者のパートナーシップ宣誓制度創設などを代表的な成果として挙げた。

 19年に実施した保健所再編については、「就任後に保健所長全員と面談して、『どうにか統合してくれ』と言われていた。地域の利害がぶつかるので反対されたが、やって良かった」と振り返った。コロナ渦で保健所の業務は増大しており、「統合していなかったら、完璧に崩壊していたと思う」との認識も示した。

 新聞社が実施した「都道府県の電子化推進度ランキング」で全国1位になったことに関しては、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)や電子決済システムの導入を理由に挙げ、「コロナ前から重視していた」と強調。「(職員には)創造力の必要な仕事などに時間を集中してもらわないと、どんどん問題が発生するので追い付かない」と訴えた。

 この他、民間調査会社の都道府県魅力度ランキングの最下位脱出や県産品の海外市場開拓、サイクリングロードの整備などの取り組みも紹介。「失敗を恐れず、スピード感を持って、選択と集中を徹底することを続けてきた。2年半でこれだけのことができたのはすごく大きいと思う」と自信を示した。(了)