2021年5月6日(木)
戦略持った経営で結果を=内外情勢調査会で講演-小嶋宮崎県新富町長
宮崎県新富町の小嶋崇嗣町長は4月8日、宮崎市内のホテルで開かれた内外情勢調査会宮崎支部で、「新富町の新たな取り組み」と題して講演した。同町が力を入れている雇用対策や連携協定、プロサッカーチームの誘致とスタジアム建設など、戦略を持った経営について語り、「行政は計画を作ることは得意だが、集中して数字を出していかないのが欠点。しっかり結果にコミットしていくことが求められている」と強調した。
小嶋町長は、職員の副業促進やメンター制の導入、障害者のチャレンジ雇用、県内でも唯一の高齢者の交通事故防止に向けた安全運転サポート車購入補助など、取り組んできた幅広い事業を説明した。
雇用対策としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、内定取り消しを受けた新卒者らを町で雇用し、就職活動を支援する「夢・応援プロジェクト」を実施。「雇用をしっかり守っていくというサポートを行っている」と語った。
町は持続可能な開発目標(SDGs)を政策の基本としており、「パートナーシップで問題を解決していこうということで、いろいろな企業と連携協定を結んでいる」と紹介。宮崎トヨタグループから企業版ふるさと納税で寄せられた寄付金を活用した乗り合いタクシー事業を取り上げた。
また、町をホームタウンとするサッカーチーム「テゲバジャーロ宮崎」のスタジアムが昨年度完成し、J2昇格を目指していると説明。「宮崎県にはプロの公式戦を見るという環境が整っていない。東京などいろいろなところでは、文化、芸術、スポーツを日頃から楽しめる環境がある。それを作っていくのが使命だと思っている」と語り、今後のスタジアム増設に向けて意欲を見せた。
この他、地元企業と連携協定を結び、プロリーグ参入を目指す女子サッカーチーム「ヴィアマテラス宮崎」の活動を全面支援し、女性アスリートによる地域活性化に力を入れる考えを示した。(了)