2021年5月6日(木)
地方創生「改めて挑戦」=内外情勢調査会で講演―広瀬大分知事
大分県の広瀬勝貞知事は27日の内外情勢調査会で「ポストコロナへ 大分県の挑戦」と題して講演した。新型コロナウイルス禍でも県土の強靱(きょうじん)化や地方創生に改めて挑戦すると強調。「住んでみたい、住んで良かったと思える大分県にしたい」と意欲を示した。
広瀬氏は県内の新型コロナの感染者が急増していることに触れ、「変異株は感染力が強くスピードも速い。これまで以上の警戒をお願いしたい」と呼びかけた。
講演で広瀬氏は「県土の強靱化と防災・減災対策が喫緊の課題だ」と指摘。国の5カ年加速化対策を活用し、昨年7月の豪雨などで被災した河川を改良復旧するとともに、その他の河川でも想定流量を見直し、事前防災にも取り組む考えを示した。
大分県が掲げる「子育て満足度日本一」の目標達成に向けては、今年3月末で待機児童がゼロになったと説明。企業へ奨励金を出し、男性の育児休業取得や短時間勤務を支援すると述べた。
地方創生の課題では、大分県の農業産出額が3年連続で減少していることを挙げた。「地方創生を考えると、農林水産業がうまくいけば地域全体が活性化していく。逆にうまくいかないと全体の活性化はできない」と話し、水田畑地化による高収益の園芸作物への転換や、県産作物の出荷体制を確立し、市場での存在感を高めていく考えを示した。
脱炭素化については「大分県は良いポジションにいる」とし、新エネルギーの一つとして水素が注目されていることを紹介。豊富に利用できる地熱での水素の生成や、コンビナートから排出される水素の活用に期待感を示した。
今後の展望として、人工衛星などを搭載したロケットを航空機で上空に運んで打ち上げる「水平型ロケット」の発射拠点として大分空港が選ばれていることを紹介。「来年中には大分から飛行機でロケットが打ち上がる夢のような話だ」と期待を述べた。(了)