2021年12月3日(金)
市政発展へ「最大限の力発揮できた」=内外情勢調査会で講演―加藤長野市長
長野市の加藤久雄市長は10月13日、市内で開かれた内外情勢調査会で「元気玉に願いを込めて~2期8年の長野市政を振り返る~」をテーマに講演した。3選出馬をせず、今期限りでの退任を表明している加藤市長は「市政発展のため最大限の力が発揮できたと思っている」と振り返った。
人口減少と少子高齢化に直面する中、市の人口は2060年には現在の約37万人から約23万人に大きく減少すると推計されている。加藤市長は「新型コロナウイルスで状況は大きく変わりつつある。地方回帰の流れを生かして対応することが非常に重要だ」と粘り強く対策を継続する必要性を述べた。
また、19年の台風19号災害では、千曲川が堤防を越水した際に、市長自ら行政無線で市民に避難を促した。「1人でも多く避難してほしいという思いで必死だった」といい、「いざというときは自治体トップがちゅうちょせずに呼び掛けることが重要だ」と強調した。
コロナ対策で重視してきたのは「感染者が出ても、必要時に必要な医療を受けられる体制づくり」。地元の医師会長、病院長らと定期的に懇談会を開催することで、病院間の連携も深まり、患者の症状に応じた対応を円滑に進めることができたという。
8年間の任期で自慢できることとして「市の課題に対し、職員が市民に寄り添って考える行動が徹底されてきたこと」を挙げた。人口減少による地域経済の低迷や大規模災害、感染症への対応など今後も課題はあるが、「先頭に立って対処できる職員が育ってきた」と述べ、職員の活躍に期待した。(了)