感染6波「先手で万全の対策を」=内外情勢調査会で講演―大井川茨城知事

 茨城県の大井川和彦知事は11月11日、つくば市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で、「ポストコロナの茨城県政」をテーマに講演した。新型コロナウイルスの感染「第6波」に備え、政府が求める水準より多い877床の病床確保を目指すと説明。ワクチン接種が進んで6波は重症者よりも軽症者が多くなるとにらみ、宿泊療養施設の確保にも力を入れる方針を示した。

 その上で「医療に負荷をかけないよう先手で万全の対策を取る」と強調した。

 大井川氏は、これまでの感染対策に関し、「国の決定を待つ前に独自の指標に基づいて対応してきた」と説明。ワクチンでは市町村の接種状況を公表して「見える化」することで、接種の努力を促してきた。「全市町村で目標の8割接種を終えることができた」と自負する。現在は感染が落ち着いていることから、独自の旅行割引を含めた経済活動の再開を進める考えを示した。

 大井川氏は2期目の挑戦で、「いばらき幸福度指標(仮称)」の導入を検討すると明らかにした。民間調査会社「ブランド総合研究所」が発表した2021年の魅力度ランキングで、県はまた最下位に沈んだ。指標は専門家の意見を聞いて作る考えで、「客観的な基準で他県とも比べられるようにする」と述べた。

 また、大井川氏は企業誘致に関し、1期4年で過去20年分の誘致を実現したと説明。8月には電気自動車用電池を手掛ける中国系メーカーが国内最大級の工場を建設することが決まったことに触れ、2期目はさらに企業誘致を進める考えを示した。脱炭素化や農業所得の向上、人材育成にも力を入れると語った。

 その他、大井川氏は行政のデジタル化で、給与・税務システムの共同利用を進めていることを紹介した。これらのシステムは都道府県で別々のものを運用している。「みんなやっていることは同じなのに独自のシステムを作ってきた。ものすごい無駄な投資をしてきた」と批判。共同利用に切り替えることで経費削減につなげる考えで、大井川氏は「大きなシステムは持たない、作らないを徹底する」と明言した。(了)