「コロナ後を意識した土台づくり」=内外情勢調査会で講演―河野宮崎知事

 宮崎県の河野俊嗣知事は11月15日、宮崎市内で開かれた内外情勢調査会で「コロナ後を見据えた県政運営」をテーマに講演した。河野氏は「将来に向けての土台づくりや明るい話題について、コロナ後を意識しながら結び付けていきたい」との考えを示した。

 河野氏は県内における新型コロナウイルスの「第5波」について、「高齢者施設や飲食店での対策が進み、感染力の強いデルタ株によって感染者数は増えたものの、重症化する方、亡くなった方は減少している」とした総括した。

 コロナ対策では、県が定めた認証基準に沿って感染防止対策を実施する飲食店を県が認証する「ひなた飲食店認証制度」や、PCR検査体制の強化の取り組みについて紹介。今後は「これまで長い間影響を受けてきた経済や県民生活をしっかり回復するところに力を入れていきたい」との考えを示した。

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」について、「キャンペーンをやることが国民へのいろんなメッセージにつながる。(感染防止対策が)ゆるまない程度に、しかし、ちゃんと経済を動かしていく必要がある」と述べ、今後の国の経済対策を踏まえ、県として機動的に対応することを表明した。

 また、河野氏は県が直面する危機事象として、昨年県内で12件の発生が確認され、約92万8000羽の家畜被害があった鳥インフルエンザに触れ、「本県は特に家畜疾病が経済、県民生活にも大きく影響を与える」と述べた。今シーズンも既に秋田県と鹿児島県で確認されており、「現在進行形でいつ起こってもおかしくない状況」と警戒感をあらわにした。

 このほか、ポストコロナ社会を見据え、「日本が国際社会の中でのどういう役割を果たしていくのか、どういう国を目指していくのか、国家ビジョンが非常に重要になる」と述べ、国政レベルでの議論を求めた。(了)