2021年12月3日(金)
「輪切り教育に未来ない」=内外情勢調査会で講演―佐賀知事
佐賀県の山口祥義知事は11月16日、佐賀市内で開かれた内外情勢調査会で「TEAM SAGA/ALL SAGA―未来を見据えて―」と題して講演した。若者が進学や就職で県外に流出する課題について「輪切り教育で勉強のできる集団を作って、東京、大阪の大企業に就職させる時代ではない。これまで通りのやり方に未来はない」と述べ、時代の変化に対応した教育制度の重要性を訴えた。
山口知事は、画一的に大都市で就職を目指す時代は終わり、人手不足や人口減に対応して県内就職を促進する必要があると指摘。「志を持って何かをやり遂げたい時、佐賀に集まろう、佐賀の中学、高校に行きたいと思うようなシステムを作ることが早道」と語り、県内外から学生が集まる唯一無二の学校作りに力を入れることで、県内就職につなげる考えを示した。
この他、激甚化する豪雨災害に対応した内水対策事業や、大隈重信100回忌事業など、実施中の事業を紹介。「佐賀に何もないと言っているのは県民で、そこを変えていかないと前に行けない」と強調し、県民が誇りを持てる佐賀づくりに意欲を見せた。(了)