子ども施策が社会課題の突破口=内外情勢調査会で講演―柴橋岐阜市長

 岐阜市の柴橋正直市長は11月16日、市内で開かれた内外情勢調査会で「こどもファーストから始まる未来への挑戦」をテーマに講演した。ハラスメントや女性の社会進出などの課題を具体例に挙げ、「子どもを取り巻く社会課題を解決していくことは市民にとっても大切。社会課題の突破口に子ども施策が重要」だと訴えた。

 柴橋氏は、公立で県内初の不登校特認校「草潤中学校」を4月に開校したことを紹介。出席率は8割以上といい、「学校へ通えなかった子どもたちが、取り巻く環境が変わることで学びにつなげることができている」と語った。

 2022年度の募集は13人程度のところ、説明会には市外を含め127人の児童らが参加したという。不登校特認校は全国的にもまだ少なく、「岐阜市の取り組みが全国に広がっていくことを心から願っている」と話した。

 一見すると子どもを取り巻く問題に見える不登校問題の解決は、高齢の親が引きこもりの子どもを支える「8050問題」の解決につながると主張。いじめで苦しむ子どもを生まない教育は社会トラブルの歯止めに、使用済み紙おむつの回収などは働く女性の社会進出にそれぞれ結び付くと強調した。

 このほか、自動運転を活用した未来の公共交通や駅周辺の再開発計画、岐阜城を中心とした本物志向の観光まちづくり計画などを示した。「シビックプライドの醸成を図って、定住、交流人口の増加を目指していきたい」と力を込めた。(了)