「コロナと共存できる強い経済を」=内外情勢調査会で講演―大野埼玉知事

 埼玉県の大野元裕知事は11月18日、さいたま市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で「埼玉県のコロナ対策とポストコロナ社会に向けて」と題して講演した。大野氏は「ウィズコロナか、ポストコロナかは分からないが、県内経済への影響を最小限に抑え、新型コロナウイルスと共存できる強い埼玉県の経済を構築していく必要がある」と述べた。

 大野氏は、これまでの県のコロナ対策として、積極的疫学調査を早い時期から行ってきたことや、クラスター(感染者集団)が出た施設への専門チーム「COVMAT(コブマット)」の派遣、発熱患者の診療・検査を行う県内医療機関をすべて県ホームページで公開してきた取り組みなどを紹介。これらの成果として「埼玉県は『第5波』時、(東京、神奈川、埼玉、千葉の)1都3県で一貫して、陽性率と感染経路不明割合が数パーセント少なかった」と強調した。

 今冬にも予想されている「第6波」に向けた医療提供体制の強化については「国と連携した病床の確保や、医療行為ができる宿泊療養施設の整備を進めている」と話した。

 JR上尾駅周辺の飲食店で行ってきた「ワクチン・検査パッケージ」技術実証の結果も紹介。アンケートでは、約1800人のうち8割ほどが、店内をワクチン接種済みの人のエリアと、未接種の人のエリアに分離したことに対し「安心感を得られた」などと回答。大野氏は「(利用客と店舗双方から)理解を得ることで、(技術実証を)進めてもいいのではないか」と述べ、「検証結果が反映されるよう国に働き掛けていく」と話し、コロナ対策と経済活動の両立に意欲を示した。(了)