「政策デザイン」による県政運営紹介=内外情勢調査会で講演―杉本福井知事

 福井県の杉本達治知事は4月25日、福井市内で開かれた内外情勢調査会で「新しい県政運営と政策デザイン」をテーマに講演した。独自の「政策デザイン」による県政運営や若手・女性職員の登用について紹介した上で、「福井県でできることは全国でもできる。国に対してもいろいろな提案をしていく」と意欲を示した。

 政策デザインは、県民視点の分かりやすいデザインを用いた説明とEBPM(証拠に基づく政策立案)を組み合わせたもので、事例としてコロナ対応を挙げた。ファイザー製ワクチンより敬遠されがちなモデルナ製の接種を推進するため、3回目の接種量が1、2回目の半分であることや接種のメリットを説明した県の広告を取り上げ、「最近の県の広報はデザインチック」と説明した。

 また、若手職員によるチャレンジ政策提案制度について「一生懸命応援している」と強調した。提案する職員の業務を他の職員がカバーする「ふくい式20%ルール」などの支援策に取り組み、2021年度は14件の提案が上がったという。県の女性管理職が今年度、過去最高の18.9%に達したことも明らかにし、「昨年は全国5位。今年は相当持ち上げた」と述べた。

 このほか、移住を促進するため、「ナッジ理論」を用いたPR戦略を展開していることに言及した。同じ内容でも言い回しを変えることで受け取り方が変わると指摘。福井県をあえて目立たせず、「満員電車、なし」といったキャッチフレーズで引きつける広告を紹介した。(了)