グリーン化、高知らしさ生かす=内外情勢調査会で講演―浜田高知県知事

 高知県の浜田省司知事は4月27日、高知市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で講演した。浜田氏は、新型コロナウイルス感染症が続くことを前提に「デジタル化、グリーン化、グローバル化に県民と取り組むことが県勢浮揚の鍵だ」と述べ、「高知県らしさを生かし、森林・林業にポイントを置いたカーボンニュートラルを進めたい」と力を込めた。

 県は3月、2050年までにカーボンニュートラルを達成するための計画として「脱炭素推進社会アクションプラン」を策定。30年度での温室効果ガス削減目標を47%以上と設定し、「経済と環境の好循環」を掲げている。

 浜田氏は脱炭素社会の推進について、県の森林面積率と日照時間が共に全国1位であることに触れ、「林業や太陽光発電に力を入れることに強い思いを持っている」と述べた。

 経済と環境の好循環については「脱炭素技術のイノベーションを世界に売り出して経済成長の種にしたい。県は8割がプロパンガス使用世帯なので、(事業者には)木質・海藻由来のバイオマスの研究と開発を県でやってもらいたい」と訴えた。

 新型コロナに関しては「医療が逼迫(ひっぱく)しない限りで社会経済活動をできるだけ回していくべきだ」と主張。県民に対し、新型コロナワクチンの3回目接種を呼び掛けた。県の病床占有率は15%前後を推移し、対応の目安は「警戒」を維持している。(了)