ポストコロナ「循環型社会がより主流に」=内外情勢調査会で講演―久元神戸市長

 神戸市の久元喜造市長は9月6日、市内のホテルで開かれた内外情勢調査会で「ポスト・コロナを見据えた大都市経営」と題し、講演した。市が取り組んでいる、下水から取り出した再生リンを農業肥料の原料として活用する事例などを紹介し「ポストコロナの社会経済はより一層、SDGsや自然との共生を考えた循環型社会にしていくという価値観が主流になるだろう」と語った。

 久元氏は冒頭、新型コロナウイルス対応では「徹底的に考えることと歴史に学ぶこと(が必要)」とし、スペイン風邪を例示。当時、流行の中でも都市整備が進められたことに触れ「歴史に学べば、コロナという目の前の危機と闘いながら、まちづくりをスピード感を持って進めなければならない」との考えを示した。

 その上で、中心部・三宮の再整備計画や郊外での事例を説明。市が駅前を再整備することが民間によるマンション建設などにつながっているとして、「東京や大阪は民間主導で再開発が進むが、神戸はそうではない。民間投資を誘発することが行政の大きな役割だ」と述べた。

 質疑応答では、参加者の1人が、市役所などでの女性活躍をさらに進めるよう要望。久元氏は「神戸市は正直遅れている。ただ、今年もかなり局長や区長に登用したが、(女性の)管理職を急に増やすことは難しい」と語った上で、早急に取り組む考えを示した。(了)