シティープロモーションに注目=新幹線開業効果狙う―山口佐賀知事

 佐賀県の山口祥義知事は10月6日、佐賀市内で開催された内外情勢調査会で、「NEXT佐賀 ~佐賀からの創造~」と題して講演した。西九州新幹線の開業や、国体を改称して2024年に初開催される「国スポ・全障スポ」で全国から注目が集まる中、シティープロモーションの重要性を力説。「まちのイメージは10年20年で大きく変わる。県は今とても大事な位置にいる」と力を込めた。

 先月23日、西九州新幹線が、武雄温泉(武雄市)―長崎(長崎市)の区間で開業。山口氏は「本来、新幹線は佐賀駅も通るはずだった。車輪の規格を変えながら在来線を通るということで決着済みだったが、国ができないと言いだした」と、フリーゲージトレイン(FGT)の開発を国が断念したことについて不満を述べた。

 また、「フル規格で整備するとなると、地元負担も含めて佐賀県民みんながやろうって気持ちになる話じゃないといけない」とし、今後も交渉を続ける姿勢を示す。「佐賀県は多大な犠牲を払ってやっている。長崎とも向き合いながら、『ウィンウィン』になるように連携を図っていく」と述べた。

 一方、開業効果の活用については「他県から訪れた人が佐賀の駅で降りたとき、佐賀はどんなまちに見えるか」とプロモーション不足を指摘。「新幹線ができて注目が集まっているが、新幹線そのものに乗りたい人は限られている。西九州地域に来たくなる魅力を磨いて掘り起こしたい」と、土地の利活用への意気込みを語る。

 また、24年に佐賀市で開催する「国スポ・全障スポ」について、会場になる多目的施設「SAGAアリーナ」の建設状況を紹介。周辺の市施設なども合わせると1万人以上を収容でき、大きな大会なども展開できるとしつつ、「それをまちがどう受け応えるのか。飲み屋やお土産など、まちの魅力がこれから問われていく」と語った。

 「県内のホテルも全然足りない状況で、大会が終わったら福岡や長崎などに行ってしまう。その逸失利益をどうしていくかがシティープロモーションだ」と、今後のまちづくりに意欲を見せた。(了)