京都版CDCを西日本の拠点に=内外情勢調査会で講演―西脇京都知事

 京都府の西脇隆俊知事は11月7日、京都市内で開かれた内外情勢調査会で「『あたたかい京都づくり』をめざして」と題して講演した。新型コロナウイルス禍を踏まえて「京都版CDC(疾病予防管理センター)」の創設に意欲を示し、「(国が進める)日本版CDCの西日本のサテライト拠点にしたい」と述べた。

 西脇知事はコロナ禍を受け、総合計画の改定を1年前倒しで進めていることを表明。「新たな感染症に備え、府内に集積する企業や大学・研究機関と京都版CDCが連携し、感染症に関する研究や人材の育成、各種データの調査・分析を進める」と強調した。

 就任当初から掲げる「子育て環境日本一」の実現に向け、子育てに優しい機運の醸成のほか、駅へのベビーケアルーム設置、郵便局への子育て応援レーン設置、店舗へのおむつ回収機設置といった施策を説明。「子どもや保護者を支援するだけでなく、社会で子どもを育てる社会をつくりたい」と意欲を示した。

 人生100年時代を迎え、リカレント教育を目的とした「生涯現役クリエイティブセンター」を昨年開設したことを紹介。「対象をミドルシニア層のほか、若者や女性にも広げ、学んだ成果を生かせる場とのマッチングも進めたい」と語った。

 産業振興策については、地域の特色を生かした「産業リーディングゾーン」を各地に設ける意向を表明。来年3月に予定される文化庁の京都移転には「生活文化に焦点を当てて日本全体の文化振興につなげたい」と強調し、「2025年大阪・関西万博の好機を生かし、日本の文化を国内外に発信したい」と話した。

 このほか「京都は人口当たりの大学や学生の数は全国で最も多い」と指摘。「大学や学生を地域の活性化に生かし、学生の府内定着につなげたい」と述べた。(了)