2022年12月28日(水)
県産品フランス進出に手応え=内外情勢調査会で講演―佐竹秋田知事
秋田県の佐竹敬久知事は11月8日、秋田市内で開かれた内外情勢調査会で、「行って、見て、聞いて フランス」と題して、先月県産品のトップセールスなどのため訪れたフランスに関し、講演した。佐竹氏は開かれた食品見本市で、トップセールスを実施。現地産のチーズを乗せアレンジした秋田の郷土漬物「いぶりがっこ」や稲庭うどんなどが人気で、「ものすごいヒットだ」と語り、県産品の海外進出に手応えを感じたという。
このほか参加した観光セミナーを振り返り、日本文化に対する関心の高さがあると強調。「フランスは歴史があるものほど大事にする。日本の文化、仏閣美術品、工芸品などに非常に興味がある」と語った。
また、少子化対策についても言及。フランスの出生率はヨーロッパで群を抜いて高い背景に、女性を中心に経済的自立が重視されていることがあると指摘した。
フランスでは治安上の理由から学校の登校時、親が子を送り迎えすることが日常化しているが、企業などでは休暇扱いにはならず、子が病気になった際は休暇取得が常識と考えられているという。「出生率が高いのは、経済支援よりも働き方が素晴らしく制度が良いからだ」と強調。その上で「経済支援を国(日本)はするが財政的にきりがない。問題は所得をどうするかだ」と論じた。
佐竹氏は日本と国民1人当たりの国内総生産(GDP)が類似する一方で、フランスは総労働時間が短く、賃金も高いと強調。「休みが多く、残業しない。これを日本が解決しないことには、ますます遅れていく」と述べた。(了)